減額・猶予制度周知を
家計急変の学生 学業の断念防げ
党青年委、政府に緊急提言
公明党青年委員会(委員長=矢倉克夫参院議員)は19日、文部科学省で萩生田光一文科相に対し、コロナ禍で多くの若者から奨学金の返還支援を求める声が公明党に寄せられていることを踏まえ、緊急提言を行った。矢倉委員長のほか、三浦信祐青年局長と高瀬弘美、高橋光男の両青年副委員長、安江伸夫学生局長(いずれも参院議員)が出席した。
同委員会は現在、政策アンケート「ボイス・アクション」を3月16日から実施中。今月18日現在の回答数約53万件のうち、約7万4000人が奨学金返還支援の全国展開を求めている。また、党学生局が4月19日から5月16日まで行った学生実態調査アンケートでも、奨学金支援の拡充を求める意見が多数寄せられた。
こうした結果を踏まえ緊急提言では、コロナ禍で学びを断念しなくても済むよう、大学生らに対する奨学金支援の周知強化を要請。家計が急変した学生から休学や退学の相談があった際は、各大学などに導入されている「修学継続のためのチェックリスト」を活用し、大学側がプッシュ型の支援を推進するよう訴えた。萩生田文科相は、寄り添い型で充実した学生支援をしている大学をサポートしていく考えを示した。
また、家計が厳しい高校生が進学を断念することのないよう、教員や奨学金の専門家である「スカラシップ・アドバイザー」による支援策の周知も求めた。
一方、コロナの影響により、内定取り消しで就職できないまま大学を卒業した人など、奨学金の返還が難しい人に対し、減額返還や返還猶予制度の周知を徹底するよう要望した。
職業選択・就活4人に1人が影響
実態調査で判明
党学生局の実態調査アンケートは、学費負担をはじめ、学習環境や感染防止対策、職業選択・就職活動などの質問にオンラインで答えるもの。1411人の学生から回答を得た。
調査結果では、コロナ禍の職業選択について、志望業界が分からなくなった(15%)、仕方なく志望業界を変更する予定(8%)と回答するなど、全体回答者の4人に1人が影響を受けていることが明らかになった。