安江学生局長に聞く
新型コロナウイルス感染症による経済的な影響から学生を守るための支援策について、公明党学生局長の安江伸夫参院議員に聞きました。
大学の窓口に相談を
――公明党の推進により、文部科学省は困窮する学生に最大20万円を支給する「学生支援緊急給付金」などの支援策を実施してきました。
安江 学生の収入源である仕送りやアルバイト代が急減する中、学びを継続するための経済的支援が急務でした。公明党は昨年5月、いち早く萩生田光一文科相へ申し入れたほか、国会質問を通し、党一丸となって実現しました。給付金はこれまでに約42万人に支給されましたが、過去に申請したものの選考外となって未受給の学生のうち、コロナ禍の長期化によって困窮した学生など約1万4000人へ支給される予定です。
文科省の調査では、昨年4月から10月の退学者が前年の同時期よりも減少しており、支援策が一定の効果を上げたとみています。一方、緊急事態宣言が再び発令されるなど、足元の家計は大変な状況にあります。修学の危機にひんする学生を救うため、支援策を周知していきたいと考えています。
――どのような支援策がありますか。
安江 まず、公明党の推進により、昨年4月からスタートしている大学や専門学校などの高等教育無償化です。住民税非課税世帯とそれに準じる世帯を対象に、返済不要の給付型奨学金と授業料減免を行うものですが、家計が急変した場合は随時、申し込むことができます。貸与型の奨学金も家計急変の場合、随時申し込みができます。
他に、アルバイト収入が減少した学生を対象に無利子で奨学金を貸与する「緊急特別無利子貸与型奨学金」の再募集を実施したほか、就職が決まらずにやむを得ず4月以降も大学に在籍する学生に対し、有利子奨学金の貸与期間延長も改めて行われる予定です。シフトの減少も含めて休業手当を受け取ることができなかった方を支援する休業支援金は学生のアルバイトも対象になります。
その他、各大学が授業料の納付猶予や独自の授業料減免を行っている場合もあります。
――どうすれば支援を受けられますか。
安江 学生の皆さまには、使える制度がないか大学の窓口にご相談いただきたいと思います。また、支援策を使えるにもかかわらず、知らずに使われなかったということがないよう、大学から学生に丁寧に周知するよう、公明党として文科省に何度も訴えてきました。
――今後、取り組みたいことは。
安江 引き続き支援策がしっかりと行き届いているかを注視し、現場の状況に機敏に反応していきます。また、学生からは対面授業や実習がなくなったことや、サークル活動ができないことなどへの不満の声を聞きます。一方でオンラインで良くなった面も聞かれます。感染症対策と対面授業の両立を図りながら、オンラインでも、対面でも、授業の質を高めていくことが大切です。孤独を抱える学生のメンタルヘルスのケアもしっかりと取り組みます。
未来を担う学生の皆さまが夢に向かって進む環境を整えるのが学生局の使命です。コロナで希望の進路を諦めることが絶対にないよう、全力で応援してまいります。
学振特別研究員の生活費支給を延長
研究能力が優れた博士課程の学生を対象に、日本学術振興会(学振)が2年ないし3年の期間で採用している特別研究員に対し、生活費として支払われる「研究奨励金」(月額20万円)の支給期間が原則6カ月延長されることになりました。コロナ禍による研究期間の長期化を踏まえ、文科省が約260人に同奨励金を追加支給する経費を来年度予算案に盛り込みました。
この対応が実現したきっかけは、一人の特別研究員がツイッターで公明党の三浦信祐青年局長(参院議員)に声を寄せたことでした。三浦局長は党文科部会と連携して文科省に対応を要請し、特別研究員として研究ができる期間が原則6カ月延長できるようになりました。一方、生活費に当たる「研究奨励金」の延長は未定だったため、昨年9月には三浦局長と安江学生局長が特別研究員らと財務省に延長を申し入れていました。