【対談】安江のぶお×里見りゅうじ Talk 愛知の希望!明日を語る 〜コロナ禍を通じて見える公明党の役割〜

【対談】安江のぶお×里見りゅうじ Talk 愛知の希望!明日を語る

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安江当選一周年記念対談
愛知の希望!明日(みらい)を語る
~コロナ禍を通じて見える公明党の役割~
安江のぶお × 里見りゅうじ

 

安江 昨年の参議院選挙(令和元年7月21日)に初当選から早1年。改めて、愛知の皆様をはじめ、応援していただいた方々への感謝の思いを胸に、その期待に応えていこうと決意させていただいております。また、里見さんには、候補予定者としての公認から今日に至るまで、本当に多くのことをご指導いただいております。特に候補者時代、里見さんは、ご挨拶まわりや国政報告会、街頭演説などを一緒に動いてくださりました。私は、その里見さんの後ろ姿を追いかけながら、戦い、学ばせていただいた思いです。当時のひとつひとつの活動が、「政治家・安江のぶお」としての大きな原点になっています。
 今日は、そうした支援者の皆様への感謝の思いを込めつつ、初当選一周年を記念して、尊敬する里見先輩との対談を企画させていただきました。里見さん、いつも本当にありがとうございます。

里見 こちらこそありがとうございます。

公明党・史上初の愛知2議席

安江 安江の当選により、公明党史上初の愛知・公明参議院2議席を達成することができました。先ず、里見さんの視点から、その意義をお伺いしたいと思います。

里見 はい。当選から1年ということで、本当にあっという間だったかと思います。愛知県本部所属の国会議員は、伊藤渉代表、新妻秀規さん、浜田昌良さんがいらっしゃいます。また、お隣の三重県は、元衆議院議員で次期衆院選の候補予定者(比例東海ブロック)として公認されている中川康洋さんがおり、中部・東海としては、多くの先輩もおられますけれども、やはりこの愛知県選挙区で、2馬力で、党勢拡大を共に戦っていただける方が出現したということを、非常に心強く思っています。私も先輩とはいえまだ4年目ですので、これからの愛知を背負っていく2人の中の1人として一緒に頑張っていきたいなと素直に思っています。
 愛知県選挙区は改選・非改選で初の公明2議席ですが、実はこれは全国連動してみる必要があって、公明党としては、昨年の参議院選挙大勝利のおかげをもって、改選・非改選合わせて28議席というかつてない議席数をいただきました。こうした絶大な支援をいただき、全国の皆さんからの押し上げの中で愛知も勝たせていただいた。そういう意味では、もちろん愛知でしっかり恩返しをしていくということもありますけども、我々は国会議員ですから、愛知からしっかり日本を支えていけるような仕事を一緒にやっていきたいなと思います。

安江 ありがとうございます。全国の流れの中での位置付けと、愛知の代表という2つの視点を持つことを改めて自覚して、頑張っていこうと思います。

労働のエキスパートと青年弁護士

安江 次に、お互いの人物像といいますか、こんな機会もなかなかありませんので、それぞれどのような印象を持っているのか、伺ってみたいと思います。

里見 はい。

安江 先ず私から、里見さんの印象をお話します。ちょっとおこがましいのですが、私は、里見さんの初選挙の当時、いち支援者でありまして、遠くから演説を見聞きするといったような間柄だったわけです。当時、厚生労働省出身等のいろんな素晴らしい経歴を見たり、本を読ませていただいたりして、「素晴らしい“スーパー・エリート”が国政に立ってくれるんだ。しかも労働のエキスパートで、実務の最前線にも立って、人の痛みがわかる方なんだ。一生懸命応援しよう」というような思いでおりました。今もその思いは変わりません。
 時を経て、私自身が候補者になり、初めて里見さんにご挨拶させていただいた時、とても気さくでユーモアがあり、目の前の一人を大切にされる優しさに溢れた人だなと思いました。そうした思いは、一緒に活動させていただく中で益々深まりましたし、この1年同じ国会議員としてご一緒させていただく中で、里見さんは「エリート」なだけじゃないなと。本当に人間味にあふれて、細やかな気配りができて、学ぶべきところばかりだと思っています。
 それから、これはまだお話したことがないかもしれませんが・・・。

里見 ドキっとしますね。

安江 実は、他の公明党の国会議員の先輩方から、「安江さんは、愛知で里見さんが表裏でしょ。里見さんのような面倒見のいい素晴らしい先輩が身近にいていいね」と声をかけてもらうことがあったんです。しかも複数の方から。当初より里見さんには感謝の思いしかありませんでしたが、第三者の先輩の評価を通して、改めて先輩に恵まれたということと、これに甘んじてはいけないとの決意を新たにしました。
 それから当選直後、里見さんは参議院の議院運営委員会の理事をされていましたよね。当然、それまでは、ほぼ地元でしか里見さんの姿を拝見しないわけですが、いざ国会の中で里見さんがそうした党内での重役を担って活躍されている姿、全体の調整とかまとめ役とか、そういう部分にも日々東奔西走されている姿には、純粋に感動を覚えました。また今回の通常国会で、里見さんは予算委員会委員という、これもまた大変重要な役割を担っておられました。特に今回はコロナ対策としての大規模な補正予算編成等もあり、里見さんのご活躍が今回の支援施策成立の大きな礎になりました。私自身も、この予算委員会でテレビ入りの初質問に立たせていただきましたが、里見さんからはその準備にあたって様々な個別具体のアドバイスもいただき、ご自身も超多忙な中、面倒をみていただきました。こうした経験を通じて、私にとっての「スーパー・エリート」の里見さんは、公明党の精神をそのまま体現されている模範とすべき先輩であり、常に刺激を与えてくれる存在です。

里見 過分なお言葉ありがとうございます。

安江 次は、里見さんから見た「安江のぶお」について、率直なところをお伺いできればと思いますがいかがでしょうか。

里見 先ず、安江さんが弁護士時代、親身に一人一人に寄り添って、困り事、ご苦労を正面から受け止めてやってきた。そこに期待をもって国会に送り出したというのが皆さんの思いだったし、我々もそれを訴えました。今までは法曹の世界だったのが、舞台を変えて、より多くの方にお耳を傾けてやっていける人ですよと、そう訴えてきたことが本当に現実になっていることを実感しています。
 国会議員になって、難しいのは、やはり自分の専門領域だけではなくて、あらゆることをやらないといけない。特に公明党は、これが自分の分野ですなんて言っていられません。

安江 そうですね。

里見 いろんな方がいろんなご相談、悩み事、困り事をお持ちになるので、それに対して全て答えていくには、勉強と努力の積み重ねですし、様々な方と連携して、更に自分の領域範囲を押し広げていくことが必要だと思います。
 安江さんは、法曹界出身ということで、人権、生命、生活の最低基準を守るとか、公平性、平等性の観点からも、一つの芯ができているので、これを軸にしてブレずに、あらゆる政策に対応していける。そこは非常に良かったと思います。もちろんこれから勉強する領域もまだまだ多いと思いますが、特に1年目に法務委員会に入られて、いきなりスペシャリストとしての領域を発揮できて良かったと思いますが、2年目以降も、そういう軸だけはブレずに、いろんな分野に挑戦していってほしいと思います。期待しています。
 あと安江さんはわかりやすい表現で言うと、おちゃめなところもあって・・・。

安江 初めて言われました(笑)

里見 安江さんには、全国最年少の国会議員という期待もあり、若者の代表として国会にいるという責任もあると思います。実際、政治と若者の間に距離がある中で、その人たちの声をいかに政治に取り込んでいくか、近づけていくかということに非常に汗をかいておられる。公明党の学生局長として、全国を東奔西走する中、後半はコロナの影響で、電話、オンライン会議だったと思いますけど、相手の目線に立ってお話を聞いてきた、耳を傾けてきたというのは、素晴らしいと思います。1年目からこうやって全国の幹部としてあらゆる地域を回るなんていうことは、他の議員でも見たことがないぐらいで、それをやり遂げている。また今まさにやっている最中の安江さんはすごいと感心しております。

安江 ありがとうございます。様々お褒めの言葉に恐縮です。法務委員会に所属したことは、不安な部分もありましたけど、まずは自分の「法律家」としての軸の部分を主戦場としてやらせていただけたことに感謝です。また、市民相談をはじめ、色々なご要望とか陳情等を頂く中で、一人一人に寄り添っていくという主軸をしっかり打ち立てながらも、お役に立てる領域、いうなれば自分の「ウイング」を拡げていかなければならないと思っております。実際、この1年間、法律家としての専門分野にとどまらず、教育・医療・福祉・経済・財政等々、広範に勉強させていただいたというところがあります。先輩方の姿を通して、更に努力して参ります。

公明党の役割

安江 それでは話題を変えますが、今日の対談のテーマは「愛知の希望!明日を語る」、「コロナ禍を通じて見える公明党の役割」です。今もなお新型コロナウイルス感染症の影響は深刻なものがありますが、今回の通常国会で、この国難とも言うべきコロナ禍に関して、公明党がどういう役割を果たすことができたでしょうか。

里見 今回のコロナ対策は、感染症対策という意味で、医療体制を万全にして、感染者をより少なくしていく、またお亡くなりになることがないように、その数を極限に減らしていく、そういう取り組みが一つ。それから、今まさに局面が変わり、そうした感染症対策を行いながら、経済対策として、外出自粛や休業で落ち込む経済をどう回復していくかという、後半戦の経済対策という意味合いもあったと思います。
 前半の感染症対策は、まさに生命、生活、生存を最大に尊重する人間主義、その精神を持って対応できたのは公明党だと思います。そして後半の経済対策という意味では、リーマンショックの時と違って、生活者がまさに一番影響を受けました。一人一人の生活者、一人一人の中小企業の事業主さん、あるいは学校が休業になって急に休業せざるを得なくなった保護者の皆さんなどです。また、その対策も従来型の業界対策や経済対策では通用しません。個別の状況にどう対応して、どのような対策を打つのか。コロナ禍で密に人と人が会えない状況の中で、政府がどこまで現場の声を聞くことができるのか。お一人お一人に寄り添い、光を当て、誰一人取り残さないという公明党の戦いで、現場と政府を繋ぐ与党としての力を発揮してきた、そうしたコロナへの対応の数ケ月間だったというふうに思います。

安江 ありがとうございます。的確に全体的なお話をしていただきました。特に里見さんは、公明党のコロナ対策本部の分野別チームで介護従事者等の皆様の支援にも尽力をされております。そのあたりのことも紹介いただけないでしょうか。

里見 ありがとうございます。3月の予算委員会でも取り上げましたが、ちょうど2月の終わり頃から3月にかけて、名古屋、特に緑区、南区で、クラスターが発生しました。休業を余儀なくされた介護事業者が100を超え、地域で利用されている高齢者の皆さんが、サービスを必要としつつも家に閉じ込まざるを得なくなった。一方で、そうしたメインサービスなどを提供する通所施設も経営困難に陥った。名古屋において、利用者にとっても施設事業所にとっても非常に困難な状況が生まれた訳ですけども、私はそれを取り上げながら、高齢者の皆さんへのケア、またそれを支えていただいている施設、そして職員、従事者の皆さんへのケアが本当に大事だということを訴えてきました。公明党がそうした声を政府へ訴える中で、第2次補正予算では、こうした職員の皆さん、医療、介護、障害含めて、最大20万円、5万円の慰労金の支給が決定いたしました。これは異例の措置でありまして、そういう意味では、これも一人一人の現場でご苦労いただいている皆さんへの敬意と感謝の気持ちを慰労金という形でお示しできたことが非常に良かったと思っています。また休業されて経営的にも厳しく、今も感染症と隣り合わせで仕事をされている皆さんの今まで以上にかかっている経費も1次補正、2次補正で措置ができました。福祉の党、公明党として、高齢者また障がい者の方の現場を支えていける予算を組むことができたと思います。
 それから今、公明党が新型コロナウイルス感染症対策本部等の会議を開いていますが、制度を作り、法律予算を通すだけでなく、実施をし、しっかりと現場に行き渡るかという観点で、いつ都道府県に通知を出して、いつから支給事務が行われ、いつご本人に届くのかを、丁寧に政府に確認、見直しているというのは非常に重要なことで、それをしっかりやっているのが、公明党だということを自負できると思います。

安江 ありがとうございます。本当に里見さんが言われた通りで、制度を作って終わりではなく、実際に作った制度がどう機能していくか、現場の隅々まで制度趣旨をしっかりと浸透させていくことまで完遂をして、初めて政治家としての責任を果たしたことになると勉強させていただきました。
 私は、公明党青年委員会学生局長として多く活動をさせていただいております。今般のコロナ禍において、直接会って対面での対話や集会が行えない状況でしたが、オンラインツールを駆使し、公明議員と若者による懇談会(ユーストークミーティング)や、学生懇談会(Qカレ)を全国規模で実施しました。そこで、当事者の皆様から生のご意見をお聞きし、それを国の政策としての実現に奔走しました。
 それらの声を通じて、改めて今回のコロナの影響で学生たちも大きな困難に直面していることが浮き彫りになりました。仕送りが減少ないし途絶える、あるいは、アルバイトができずアルバイト収入で生活費・学費等を賄っていた学生が窮地に立たされているといった状況です。こうした現場の声を基に、初めての予算委員会で学生支援についても訴えさせていただきました。また、4月20日には、他党に先駆けて、公明党文部科学部会と青年委員会と合同で、文科大臣に対しても要望活動を実施し、青年委員会を中心に学生支援に関するテーマをあらゆる場面で取り上げてきました。結果として、今回の第1次、第2次補正予算にも、学生に対する学費減免等の措置を行った高等教育機関に対して予算等がつきました。特に、就学困難な学生に対する最大20万円の給付は公明党文科部会とも連携しながら実現することができて、本当に良かったと率直に思っています。
 他にも、オンライン学習に関する課題や、理系の学生等から「実験できない」あるいは「科研費等の費用の面で苦心している」といった声も多く寄せられ、支援を訴えてきました。それらの対策費用も補正予算に組み入れられております。もっとも、今もなお、学生支援の関連ではいろんなご要望をいただいておりますので、未来を担う学生たちがしっかりと道を切り開いていけるよう、引き続き力を尽くして参ります。

防災・減災を政治の主流に

安江 次に自然災害対応について伺います。先日も九州地方をはじめ、全国各地において従来の想定を大きく超える大規模な豪雨災害(令和2年7月豪雨)が発生しました。改めて、お亡くなりになった方々のご冥福をお祈り申し上げると共に、被災された皆さまにお見舞いを申し上げます。
 毎年、想定を超える自然災害が発生しており、新たな対応が求められております。中部地域においては、豪雨にとどまらず、南海トラフ巨大地震等にも対応していかなければなりません。防災・減災、国土強靱化という観点から、私たちが果たすべき役割について、お話いただいてよろしいでしょうか。

里見 まず忘れられないのは、安江さんが候補者時代に、西日本豪雨(平成30年7月豪雨)が発生し、候補者としてのスケジュールをこじ開け、被害の大きかった岐阜県関市に急行し、被災状況の調査と共に住民や被災者を見舞い、被災者の皆さんに寄り添って、困り事に耳を傾けたことです。このことは、議員として最も大事な資質かもしれません。
 遡れば、今年は東海豪雨からちょうど20年。あの時は庄内川、新川の洪水で、地域に甚大な被害を及ぼしたという歴史もありますし、61年前には伊勢湾台風による被害。中部という地域は、水害・地震等の大災害との闘いで、今の社会を築いてきたっていうのは紛れもない事実ですし、特に水との闘いが、何百年に亘っての歴史であります。そういう意味で、政治家というのは、自然災害から人の命と暮らしを守るということを、使命の「一丁目一番地」に掲げてもいいのではないかと思います。
 そして、我が党は2年前の党大会で、「防災・減災を政治の主流に」ということを旗に掲げ、今までにない取り組みを行っています。また、国土交通省においても、「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策」として重点的に公共工事を進めてきています。そういう意味では、公明党が主導する形で防災・減災ということを意識する、こうした社会が醸成されてきていると思います。しかし、最近の災害は、より甚大化・頻発化してきています。それに対応すべく、より強力に推進していく必要があります。そういう意味では、安江さんのような志を持った新しい議員の新しい発想を取り入れながら、更に推進していくべきだと思います。

安江 ありがとうございます。
今も里見さんからご紹介いただきましたが、候補者時代、岐阜県関市の被災地の視察は強烈な印象が残っています。車が水流の勢いで横転した状況。道路が泥まみれになり、そこにアップライト・ピアノがぐちゃぐちゃになって倒れていた光景。汚泥に損壊された自宅を見つめて呆然と立ち尽くすご婦人の姿等々。こうした被災地の様子を見て、このような自然災害からどのように防災・減災し、復興していくか。まさに政治が果たすべき役割は重大なものがあると痛感しました。
 今後も、頻発化、激甚化していく災害に対して、インフラの整備、河川の整備等のハード面の対策はもちろん、自助、共助のソフトパワーの側面も重要になってきます。これまでの対策を、更にどう深化していくか。こうした観点から、この7月に閣議決定された「経済財政運営の基本方針」(骨太の方針)では、公明党の強力な主張を踏まえて、防災・減災を政策の大きな柱として明記しました。中長期的視点に立った防災・減災に引き続き全力で取り組むと同時に、青年の視点もしっかり交えながら、その声を政策に反映してく決意です。

多様な議員活動

安江 次に、これまでお話しいただいた以外に、里見さんが議員活動で注力していることがあれば、ご紹介をいただければと思います。

里見 私が公務員の時には、法律、予算というのは、政府が提出をして、国会に了承いただいて実施するものだと思っていました。しかし、国会に入ってみると、実は国会議員のリーダーシップで、様々な制度・政策を作っていくということが主流であるということが分かりました。例えば、防災・減災、国土強靱化。これは政治のリーダーシップで進めてきた典型的な事例です。また、その推進力の一つとして議員立法という手法もあります。私も議員立法をいくつか推進することで、いろんな経験をさせていただきました。
 一つは障害者文化芸術活動推進法。山本博司(党・障がい者福祉委員会委員長)さんが中心になって、2018年に成立。議員立法で制度を作っていく素晴らしさを実感しました。
それから、日本語教育推進法です。愛知県も東京に次いで外国人の方が多い地域。日系ブラジル人、ペルー人の方も多いですし、製造業、農業等が盛んなことから、技能実習生の方も多くいらっしゃいます。この外国の方々と、どのように共生していくのか。共生の鍵となる日本語の教育ですが、まだまだ社会的なインフラとしては不十分です。このような状況を変えていくために、この法律を、他党の皆さんとも一緒になって昨年成立させました。今後、「多文化共生社会」を実現するための大きな推進力になることを期待しています。
 そして現在、古屋範子(党・認知症施策推進本部長)さんが中心となって認知症基本法案を推進しています。認知症政策というのは、これは単なる医療・福祉だけではなく、街づくり、社会システムづくりなど、全体で取り組んでいくべきものです。これは今、他党の皆さんにも声を掛けながら進めておりまして、成立を目指して懸命の努力をして参りたいと決意をしております。
 それから、労働者協同組合法案について。これは、地域のニーズを地域の住民で担い、意思決定も自ら行い、自ら働いていくという協同労働という考え方を法的に位置づけるもので、これを担う法人をきちんと法制化して、環境整備をしていこうというものです。これを桝屋敬悟(党・地域で活躍する場づくりのための新たな法人制度検討小委員長)さんが、全会派の中でも中心的な役割を担って進めています。こうした法律も、今般の通常国会で提出ができましたので、一刻も早く地域に還元できるよう成立を期して参ります。
 このように、私の議会活動は、立法府が主導で制度を作っていくっていうことの醍醐味を非常に味わってきた3年余りでもありました。

安江 私は青年委員会として、学生局長として、まだまだ足らざる若者支援、学生支援を柱にしつつ、幅広に取り組ませていただいております。
 例えば、インターネット上の人権侵害が、日本にとどまらず世界中で大きな問題になっています。ただ一方で、憲法で保障された表現の自由とのバランスをどう図っていくか、これは難しい問題です。先日、党としても提言を作成し、政府に提出いたしました。私もこの提言作成に際し、弁護士としての経験も踏まえて、様々意見を述べさせていただき、一部を今回の提言にも盛り込んでいただいたところです。現代のデジタル社会の実態に即しつつ、表現の自由、また人権保護のための様々な政策のあり方の追求。こういう部分にも力を入れていきたいと思っているところです。
 それから、いわゆる「子どもの貧困」という問題にも、しっかりと取り組んでいきたいと思っています。ずばり養育費関連の議論ですが、日本は、離婚した後、一方の親からの養育費の支払いが滞っていることが多い。3割に満たない支払実績という現実があって、ひいては、それが子供の貧困に繋がっているということは問題です。民法という基本法のあり方を含めて見直していかなければいけない局面にきております。党内にも不払い養育費問題対策PTが立ち上がっており、私も携わらせていただいております。子供たちの未来を明るく照らしていけるように、全力で取り組んで参る決意です。

愛知の明日を語る

安江 次に、愛知の未来の可能性について、またそれを国政にいかに還元していくか。このような観点で、里見さんが今考えておられることを是非お聞きできればと思います。

里見 愛知は自動車、産業機械等の製造業は日本をリードする産業です。また農業も盛んな地域で、知多、三河含め、尾張もそうですが、非常に自然豊かな環境の中で、農業生産高も、野菜などでは日本のトップクラス。これをいかに振興していくかというのも重要だと思います。あまりにも産業面、生産面が強調されているので、観光面がどうですかと、そういうふうに言われますけど、実は今、大河ドラマ等で、名古屋に焦点が当たっています。

安江 そうですね。実際、大河ドラマのことは結構話題になりますね。

里見 愛知中部は歴史のある地域で、そうした歴史や文化をバックグラウンドとして、もっと観光振興できる潜在力をもつ地域でもあると思います。観光で振興していけば、またそれに繋がる産業で地域を活性化して、他にも繋がっていけると思います。コロナ禍で今は一旦休憩している部分もありますけど、今後2026年アジア競技大会など、国際的に多くの皆さんに来ていただければそういう地域にしていけるんじゃないかという思いもあります。元々、非常にスポーツも盛んな地域なので、本当にそういう意味では総合力のある地域です。
 一方で、地方創生ということで、東京一極集中是正ということが盛んに言われています。名古屋を中心として、その近隣には多くの中堅中核的な地位を占めるはずの地方都市もあるので、リニアも見据えながら名古屋が果たしていく役割、愛知県また東海地域を中心としての各都市が発展していくという意味での、需要性は非常に高いと思います。我々が頑張ることが、そうした国土形成にも繋がっていくことを自覚して、活動していかなきゃいけないなと思います。

安江 本当にそうですね。それに加えて様々なインフラの整備も重要だと感じています。例えば、息の長い話ですが、「名古屋三河道路」。しっかりと道路等の整備をしていく必要があります。また私が住んできた知多半島で言えば、「西知多道路」の整備事業が着々と進められています。そして中部国際空港、日本一の名古屋港、そして、リニア開通等々。愛知の将来の展望において期待すべき点が多々あります。一方で、そこには様々な課題もありますが、こうした愛知のインフラ等の整備を愛知の発展ひいては日本の未来の発展につなげるために、私自身も後押しをしていきたいと思っています。
 同時に、愛知は日本の産業の中心地です。製造業をはじめ様々な産業集積地・愛知が、このコロナ禍を突き破って、どう活性化していくのか。この点の後押しを心してやっていかなければいけないと思っています。
 また外国人材が東京に次いで多いのが愛知です。そういう意味では多文化共生社会のモデルケースを作っていけるのも、実は愛知県なのではないかと。実際、豊田市、豊橋市をはじめ、先進的な取り組みも各自治体でなされております。それらをモデルケースとして発信していくことも、愛知代表としての自分の重要な使命だと思っていますので、里見さんと力を合わせて、頑張っていければと思っています。

新しいチカラで

安江 最後になりますが、アフターコロナも見据えつつ、愛知の代表として今後どう取り組んでいくか、ご決意をいただいてよろしいでしょうか。

里見 そうですね。1年経って、安江さんは新人とは言わせない闘いを既にやっていただいていますけれども、本格的にこの2人が愛知を支えていくんだという思いで、一緒にやっていきたいと思います。
 まずは当面するコロナ対応ということになりますが、我々は、特に若い安江さんは、半世紀後の愛知、日本を見据えて政治を進めていただける方だと思いますので、このコロナ禍を奇貨として、日本がよりデジタル社会、そういう経済的な改革をし、そして更にイノベーションを進め、世界を相手に競争できる強い社会にしていくという一面とともに、我々公明党の立党精神にも通じる誰一人取り残さないという視点で、社会を作っていく、その両面で進めていくことが大事だと思っています。非常に責任が重いと思いますけれども、安江さんという力強い議員を愛知もいただきましたので、安江さんと一緒にやっていきたいと思います。宜しくお願いします。

安江 ありがとうございます。力強いエールをいただきました。候補者の時、私は街頭演説等で、「20年、30年、50年先、未来を生きる当事者の一人として、日本の未来を見据えた持続可能な社会を、子供たち若者たちに希望を与えられる社会をつくっていきたい」とお訴えをし、当選させていただきました。改めてこの1年を振り返り、その決意をしっかりと実現すべく、具体的な政策を発信し、それを実現していく闘いをしていかなければならないと思っております。公明党愛知県本部代表の伊藤渉衆議院議員をはじめ、所属議員の皆様と一体となりながら、里見りゅうじさんという素晴らしい先輩と共に、この愛知の発展が日本の発展へと繋がっていく仕事をして参ります。
 本日は大変にありがとうございました。

里見 ありがとうございました。

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