答える人=党学生局長(参院議員) 安江伸夫さん
新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、親からの仕送りやアルバイト収入が急減し、経済的に困窮した学生が、学業を諦めざるを得ない状況に陥っている問題が指摘されています。政府は公明党の提言も踏まえ、1人最大20万円の現金を給付する制度を創設しました。支援策の内容などについて、党学生局長の安江伸夫参院議員に聞きました。
■Q.新型コロナの影響は?
■A.仕送り、バイトが減少し、修学の危機迎える学生も
アスカ 新型コロナの影響で経済的に困窮する学生の声が報じられています。
安江 私自身もそうでしたが、親元を離れている学生は平時であっても、経済的にギリギリの状況で生活している人が多いと思います。そんな中、今回の新型コロナの拡大で、実家の家計が影響を受けると親からの仕送りが難しくなり、学生自身のアルバイト先も休業となったことで収入がなくなってしまった。
つまり、学生の主な収入源とされる▽仕送り▽アルバイト代▽奨学金――の3本柱のうち二つが崩れた格好で、修学の危機に瀕する学生が増えており、私も多くの学生や保護者から相談を受けています。
アスカ 公明党はどう対応したのですか。
安江 5月8日に斉藤鉄夫幹事長らが萩生田光一文部科学相に、2020年度第1次補正予算の予備費を活用して1人10万円の現金給付を行うよう申し入れました。これに対し文科相は「早急に対応したい」と応じ、政府は同19日に1人当たり最大20万円を支給する「学生支援緊急給付金」の創設を決めました。
アスカ 国会審議も含め、党一丸で困窮学生への支援を訴えていましたね。
安江 はい。私も3月23日の参院予算委員会で、新型コロナの影響で家計が急変した学生を、給付型奨学金制度の対象とするよう訴え、翌24日には文科省から大学などに通知が出されました。また4月20日には、党青年委員会と文科部会が合同で文科相に学生支援の強化を申し入れ、大学の学費減免や納付猶予などを求めた結果、同30日付で各大学にそれらの対応を促す通知が出されました。このほか、オンライン学習環境の整備や就職・求職活動の支援など、きめ細かい対応を政府に求めています。
■Q.緊急給付金について
■A.1人最大20万円を給付。予備費の活用で迅速に
アスカ 学生支援緊急給付金の概要を詳しく教えてください。
安江 対象は大学や短大、高専、専門学校などの学生で、約43万人です。画期的なのは、大学院生や日本に住民票のある外国人留学生も含まれたことです。給付額は1人10万円で、住民税非課税世帯の学生には20万円が支給されます。迅速に対応する必要があることから、第2次補正予算での対応ではなく、第1次補正の予備費から約530億円を充てます。
アスカ 給付を受けるための条件は何でしょうか。
安江 要件としては、①家庭から自立してアルバイト収入で学費を賄っている(原則として自宅外生)②アルバイト収入が50%以上減③給付型奨学金を受給している、もしくは無利子奨学金を限度額まで利用している――などを満たすことが必要ですが、全てを満たさなくても大学が学生の状況に合わせて総合的に判断することになっています。
アスカ 申し込み方法や期限は。
安江 申し込みには、学生が各大学へ申請書類を提出することが必要ですが、かなり簡素化されています。大学によっては、学生に身近なLINEなどでも受け付けています。締め切りは大学によって違いますが、早いところでは6月上旬に設定しているところもあると聞いています。まずは問い合わせを急いでください。その後、各大学で推薦者リストをまとめて日本学生支援機構に提出し、機構の審査が通れば、学生の口座に振り込まれる流れです。
新型コロナの影響で学生が学業を断念することがあってはなりません。党学生局としても、未来ある学生のために全力を尽くしてまいります。
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