検察庁法改正案について

検察庁法改正案はクロかシロか | いさ進一公式ブログ 衆議院議員

伊佐さんが、検察庁法についてブログにまとめていただきました!
大変分かりやすいので、是非、ご参照いただければと思います。
私も、基本的に、伊佐さんの記述に同意します😊
→ http://isa41.net/isanote/?p=1874

そのうえで、確認的、かつ、私見も交えて、以下に今回の検察庁法についてコメントさせていただきます。

①検察庁は三権分立における「行政府」のなかに位置づけられ、かつ、検事総長、次長検事及び各検事長の任免権は、現行法においても、内閣に在る(検察庁法15条1項)。その他の検察官についても、法務大臣に在る。

②その意味では、改正法案22条で、「役降り特例」(役降り年齢を超えても、当該時点の官職を占めたまま、勤務させる特例)や勤務延長の適用判断を「内閣」等に委ねるという規定は、新たな主体に任免権を付与するものではない。

③もっとも、『内閣等が「役降り特例」等の適用の判断をする』ということ自体は、新設事項である。また、「任命時」と「延長時」の各時点における内閣等の関与の意味合いについては、全く同一に論じることもできない。

④そして、本法案について反対がなされる理由は、まさに上記③の行政府の最たる存在である内閣等による判断が、実質的に、準司法的作用を有する検察権力行使への恣意的介入を招き、その機能がゆがめられるのではないか、という懸念にある。

⑤この④が、本来の、本改正法案の最大の論点であると考えるが、①のとおり、従来から、内閣等が、検事総長、次長検事等に対する任免権を有するのだから、検察権行使について内閣の恣意的介入のおそれの問題は、検察庁法15条等の現行法の妥当性も併せて論議する必要性があると思われる。
この点を措くとしても、少なくとも現行法の仕組みを前提とするならば、「検察官の準司法的作用」は、大きな枠組みとしては、議院内閣制を採用する我が国においては、国政選挙等を中心とした民主主義の機能によって(つまり、間接的に民意の力で、権力との癒着を制御することを期待して、)制度的に担保されていると評価すべきではないか。また、この点は強力過ぎる検察官の権力を民主的に統制する意義も有する。これに加えて、検察官による起訴権限独占と独任制官庁としての性質や強い身分保障、すなわち「行政府」のなかにおいても特異ともいえる強固な権限と個々の検察官の独立性とが相まって、「検察官の独立性」が維持されているとみるべきではないかと考える。
そうであれば、検察庁法15条等を前提とした、改正法案22条の「役降り特例」や勤務延長の規程は、既存の法制度が予定する「検察官の独立性」を脅かすとの疑義はあたらないと考える。

⑥上記⑤が、本改正法の理論的な論拠と考えるが、いずれにしても、国民の皆様が有する様々な懸念、すなわち、『次長検事及び各検事長等が内閣等による「役降り特例」の適用を求めて、「政治」に対して「忖度」をなしうるのではないか』という懸念や、新型コロナウィルス対策の最中において審議すべき必要性、同改正法を法務委員会において審議しない理由等々の各懸念に対しては、政府は真摯に向き合い、丁寧に答えるべきである。

⑦特に、具体論としては、上記④の懸念を払拭するためにも、改正法案22条2項や、同条5項の「内閣が定める事由」及び同条6項の「内閣の定めるところにより」といった規定について、内閣等の「政治的恣意性」が排除されるよう、可及的に客観的かつ合理的な準則が示されなければならないし、まさにこの点について十分な説明と議論が国会(具体的には衆参の内閣委員会)において、なされなければならないと考える。

以上

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