参議院 農林水産委員会で質問

2023.06.01 22:00(2年前) ブログ国会質疑 |安江のぶお

議事録

第211回国会 参議院 農林水産委員会 第13号 令和5年6月1日

安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
 四人の参考人の先生方、本当に今日は大変貴重な、重要な御意見を賜りまして、ありがとうございます。
 早速ですが、質問させていただきたいと思いますが、まず、齊藤参考人と、また金谷参考人にも同じ質問をさせていただきたいと思います。
 先ほども船橋委員の方からも御質問があったところでもありますが、様々この配合飼料の価格高騰対策、政策を打ち出させていただいているところでもありまして、直近では、令和五年度の第一・四半期以降の新しい配合飼料価格高騰対策を打ち出させていただいているところでもございます。
 先ほど齊藤参考人の方からは、感謝の声、喜びの声を挙げていただいたところでもございますが、まだまだ予断を許さない状況かとも思いますので、今後の課題認識についても併せてお答えをいただきたいとともに、金谷参考人についても、この価格高騰対策を始めとした政府の対策に対しての評価と今後の課題についてお答えをいただきたいと思います。

委員長(山下雄平君) まず、齊藤参考人。

参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。
 今お話のありました令和五年度第一・四半期以降の対策につきましては、生産者の負担軽減につながる措置としてこの取組に賛同し、国の御指導の下、手前どもとしても一緒になって取り組んでいく所存でございます。
 一方で、この取組は、JAグループや生産者の積立金で運営する通常基金の借入金を増やすことになります。その借入金の返済は通常補填と同じ財源から行いますので、返済に当たっての金利助成や無理のない返済計画、しっかりと補填ができるような返済計画が組めるようにお願いをしたいというふうに思っております。
 間もなく制度の詳細が決まると聞いておりますので、生産者、組織への周知、理解を進めてまいる所存でございます。よろしくお願いいたします。

参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。
 配合基金、もうここ最近ずうっと出していただいていて、有り難くいただいております。ありがとうございます。
 ただ、現場で配合を食べさせている身としては、やっぱり高止まりしたときに補填金が少なくなってくるというのは以前から問題視されていたと思うんですけれども、それが今まさに起こっているというところで、上がっているのに対して補填金が、ちょうど今ぐらいですね、少なくなってきているのかなという実感があるところでございます。
 そこに対して新しい制度があるようなニュースも聞いておりますが、詳しくは承知していないのでちょっとコメントは差し控えますけれども、先ほど齊藤参考人が言ってくれたとおりで、餌屋さんなんかもお金を借りて赤字を積んで積み増しをしていただいているというのも聞いております。関係会社の方、皆さんにありがとうございますということはお伝えしたいんですが、まだまだ足りないというのが実情です。

安江伸夫君 ありがとうございました。
 続きまして、この飼料の自給率の向上に関連をしまして、これは齊藤参考人と、また小林参考人にも御意見を伺いたいと思います。
 今後、食料の安全保障を強化していくという流れの中で、輸入依存度が高く価格高騰も続く飼料作物の自給率をこれ高めていくことが重要と認識をしております。
 その上で、畑地化による飼料作物の生産性を高めようとする生産者への支援の拡充や、あるいは耕畜連携に対する更なる支援が必要ではないかというふうにも考えているところでもございますが、これらに関する課題認識と、また国への政策要望があればお伺いをしたいと思います。

参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。
 まさに、食料安全保障リスクが顕在化をしてきたというふうに認識をしております。こうした中で、飼料米、子実トウモロコシ、稲わらといった飼料作物の自給率向上は非常に重要であるというふうに考えております。飼料米については一定程度生産側では定着をしてきたところでございますが、子実トウモロコシにつきましても、本会として、各地で生産及び飼料用途としての利用実証を進めていきたいと思っております。
 本会は、子実トウモロコシの生産、流通、飼料利用におけるメリットや課題を確認をするために、令和四年度から宮城県のJA古川と連携をし、子実トウモロコシと大豆の輪作による大規模実証に取り組んでおります。令和四年度の作付けは約九十二ヘクタールであり、現在実証結果を取りまとめているところですが、栽培基準を遵守して作付け、栽培管理した圃場の収量はおおむね六百キロ以上というふうなことで良好となっております。
 低収圃場については、減収要因として、播種量の不足ですとか、あるいは排水不良、あるいは虫害、鳥獣害が明らかになっておりますので、次年度は基準徹底、各種対策を図っていきたいというふうに思っているところでございます。
 また、耕畜連携についても、資源循環の観点から、家畜排せつ物及び稲わらの有効利用が重要であると認識しております。もちろん地域内での循環が理想なんですけれども、耕種と畜種の農家数あるいは資源発生量については地域ごとに偏りがございます。したがって、地域内だけではなくて、食料安全保障を強化していく流れの中では、全国域で捉えた耕畜連携も固めていく、基盤を固めていく必要があるというふうに考えているところであります。
 昨年度は、本会宮城県本部と鹿児島経済連が宮城の稲わらと鹿児島の肥料を、堆肥入り肥料を交換する事業に着手をいたしました。ただ、いかんせん、千五百キロの輸送を主にJRコンテナを利用してやるわけで、そうしますと運賃増嵩がかなり課題となっておりまして、この支援を是非お願いをしたいということで、国の方に要請をしているところでございます。
 いろいろ課題ありますが、これからしっかり取り組んでいきたいと思います。よろしくお願いいたします。

参考人(小林信一君) 御質問ありがとうございました。
 飼料自給率が二五%からなかなか上がらないということで、やはりその内容としては、粗飼料自給率を一〇〇%にするというのは政策目標にしているはずなんですけれども、それがなかなか行かないという面が一つあります。特に酪農家にとっては、輸入濃厚飼料だけではなくして、輸入粗飼料が濃厚飼料よりも高いというような、そして基金制度もないという、そういう問題があるわけですから、そこに手を掛けるという必要がありますし、本当は国産のいろいろまだ未利用、低利用の資源というのはたくさんあるわけですから、それをうまく活用するという手がまだあるんではないかと。
 それから、濃厚飼料については、やはり飼料用米、飼料稲の活用、ソフトグレーンなんかも含めて、そこがまだまだ目標にはるかに到達していないというのは一体なぜなのか。先ほど申しましたけれども、山形の餌米なんか、遊佐で先駆的に行われていたところがありましたけれども、生活クラブなんかがですね。結局、あそこで作ったものを太平洋の工場まで運んでまた運び直すというような、そういうことをやっている。それでは全然効率、あるいは生産性が上がらないということで、やはり取れたところで使うということをきちっとやっていくということが必要だと思います。私が先ほど申しましたように、耕畜連携というものが地域の中で完結するような形を是非取っていただきたいというふうに思います。
 食料自給率が三八%で、また、なかなか四五という目標、自民党さんの目標にも行っていないという。ところが、木材自給率は一八%から四十数%まで行っているんですね。だから政策、あそこはやはり固定支払を導入したということで、そこまで政策いかんによって自給率は上がっているということをやはり参考にしていただければ、食料自給率ももっともっと上がる可能性はあるんではないかというふうに思います。それはやはり水田の使い方ではないかというふうに私は思います。
 以上です。

安江伸夫君 貴重な御意見ありがとうございました。
 続きまして、適正価格の形成に関連をしてお伺いをしたいと思います。この質問につきましては、齊藤参考人、小林参考人、また金谷参考人にも御意見があればお伺いしたいと思います。
 端的にお伺いをいたしますけれども、やはり適正な畜産物価格、乳価を実現をしていくことが重要だというふうに考えておりまして、流通事業者や消費者も含めた理解醸成を一層進めていくことが必要だというふうに考えておりますし、先ほども質問にもありましたけれども、飼料価格の高騰を生乳取引価格に反映をする新たな仕組みを構築していく必要性があるかというふうにも思っております。
 適正価格の形成に関して、お三方から御意見を順次お伺いできればと思います。

委員長(山下雄平君) では、齊藤参考人。

参考人(齊藤良樹君) 御質問ありがとうございます。お答えをいたします。
 現下の厳しい畜産、酪農経営の状況は我が国の食料安全保障に支障を来しかねないことから、生産者の再生産に配慮をした適正な畜産物価格、乳価形成の実現に向けた仕組みの構築は大変重要というふうに認識をしております。一方、御指摘のとおり、生産者の窮状、あるいは価格転嫁の必要性を消費者や流通、小売の皆様にもしっかりと御理解をいただくことが重要で、食のサプライチェーンを全体でこの仕組みを構築する必要があります。
 それと、その中で、こういうことを実現していく上で、先ほど石垣先生もおっしゃいましたが、一方で、今後は穀物価格というのは中長期的には上がっていくであろうと。世界の人口増もございます。そういう中で、上がっていくだろうということの中で、やはり価格反映をしていくと需要が落ちてくるというリスクが伴います。やはり、これには、あわせて、しっかりとした需給対策、とりわけ生乳の場合は日もちがしませんので、それを加工品に置き換えていく、加工していく必要性が出てまいります。そういった面での需給対策というものがセットでないと、なかなか機能してこないのではないかなというふうに私は思っているところでございます。
 したがって、そういった点について、国の方にしっかりと需要が落ちたときの対策を併せて要請をしてまいりたいというふうに思っておるわけですし、この民民の努力の範疇を超える事態が起きた場合においては、生産者に対する新たな仕組みづくりということを是非御検討いただきたいというふうに考えているところであります。
 ありがとうございます。

参考人(小林信一君) ありがとうございます。
 適正な価格というのは非常に難しいと思うんですね。それで、今回も飲用乳について値上げをした結果、消費が落ちていくということで、そこをやはりEU並みに価格支持と所得支持を切り離す、デカップリングするというのは、大きな意味においては必要ではないかというふうに思います。
 例えば、牛乳・乳製品について言うと、唯一消費が拡大しているのはチーズなわけですね。ところが、チーズ、伸びているのは、実は国産ではなくして輸入なわけですね。そこが代替できるのかどうかということでいうと、実は今、関税が引き下がってきている、TPP11ですとか日EUのEPAの結果として徐々に下がってきて、一番問題なのは抱き合わせ関税が有名無実化するということで、もうそろそろ、あと数年のうちに、抱き合わせ関税というのは御存じだと思うんですけれども、国産を使えばその二・五倍ぐらいの輸入品を無税で使えるという、国内のメーカーにとってもメリットがあるということで国産を使うという面があるんではないかと思うんですね。
 それが、それを使わなくても安く輸入チーズが使えるということになると、国産をどこまでやるかと。せっかく四十万トンまで行った国産のチーズというのがなくなってしまう、まあなくなることはないと思うんですが、相当減ってしまう、あるいは伸びないということがあるわけですね。そこをどうするか。
 実は、これチーズ乳価の中で、かつては、チーズ乳価が一番低いので、酪農家としてはそれを使いたくないわけですけれども、かつては補助金がチーズに対しては厚かったんです。それを今回は全部フラットにしてしまったので、チーズの拡大というのにマイナスの作用をしているという、その辺の政策的な展開ということもやはり細かく考えていただいて、国産チーズをもっともっと増やしていくという、輸入代替するというふうなことも考えていただくということが必要なんではないかというふうに思います。
 以上です。

参考人(金谷雅史君) 御質問ありがとうございます。
 適正な畜産物価格、乳価ということですけども、先ほど意見言ったときにもお伝えしたんですけど、昨年十一月に飲用乳価値上げがあって、今年の八月にもあると。本当に着々と進んでいるというのが現状で、現場の人間の意見を聞いていますと、遅いというのは聞いております。
 ですけども、先ほどの意見でも言ったとおり、それを急に上げていけばやっぱり消費はその分落ちていくというのは、小林参考人が言っていたとおり、上げた分落ちるという反動は出てくると思いますので、だから、適正な価格をすぐに反映するという方よりも需給ギャップをなくす方を急いで、なくしてすぐに上げられる状態をつくる方がいいのではないかと思います。
 需給ギャップがあって乳価が上げられない状態が長く続いていて、今大変苦しいのが私の、生産者としての思いだと思いますので、適正な価格反映も重要なんですけれども、それよりも、上げやすい環境づくりというような方が大切かなと思います。
 ありがとうございます。

安江伸夫君 貴重な御意見ありがとうございました。新村参考人に御質問できず、申し訳ありませんでした。
 以上で終わります。

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