参議院予算委員会での質疑

参議院予算委員会での質疑

先日の参議院予算委員会での質疑が、YouTubeでもご覧いたたげます。

質問項目
・核兵器禁止条約の締約国会合へのオブ参加
・2026アジア・アジアパラ競技大会の成功に向けた取り組み
・D-ESTの取りまとめ状況
・体育館のエアコンの動力確保
・物流及び建設業の担い手確保
・次期NDC策定の考え方
・ブルーインフラの強化
・多様な学びの支援
・入試の調査書における月経随伴症の扱い
・特別研究員制度とスタートアップ
・高額療養費制度の見直しの考え方
・薬価の在り方
・アクアポニックスの事例集積
・保護犬の訓練を通じた矯正
について、総理をはじめ関係大臣にお伺いしました。
前向きな答弁も多くいただきました。しっかりと次の施策に繋げてまいります。

ちなみに、
本当は以上のほか、
「被選挙権年齢の18歳まで引き下げを含む若年者の政治参画の促進」と
「インターネット投票を含む投票環境の整備」
についても取り上げる予定でしたが、時間切れでした💦

質疑はできませんでしたが、これらにもしっかりと取り組んでまいります🙇‍♂️

参議院予算委員会での質疑

議事録

第216回国会 参議院 予算委員会 第4号 令和6年12月16日

安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。時間も限られておりますので、早速ですが質問に入らせていただきます。
 まず初めに、核兵器禁止条約の締約国会合へのオブザーバー参加について、総理にお伺いをさせていただきたいと存じます。
 公明党は、唯一の被爆国である我が国こそ、核兵器廃絶を目指して、被爆の実相を世界に発信をし、核保有国と非保有国の真の橋渡し役を担うべきであるとの信念から、これまで一貫して、核兵器禁止条約のこの締約国会合へのオブザーバー参加をお訴えをしてまいりました。
 去る十二月三日の衆議院本会議におきましても、公明党の斉藤鉄夫代表から総理に対し改めてこのことを御要請をさせていただきましたところ、総理からは、これまでの締約国会合でのオブザーバー参加の例について検証が必要だとの御答弁をいただきました。
 この点につきまして、例えばNATO加盟国では、ドイツのほかベルギー、オランダ、そして先日、被団協がノーベル平和賞を授与された地でもありますノルウェーが既にオブ参加をしております。また、米国の同盟国であるオーストラリアも同様です。いずれも、このオブ参加を通じて、自国の立場を表明をしたり、各論に対する関心や知見、協力の意思を示したりすること等が可能となっております。他方で、米国との同盟関係が大きく揺らいだわけでもないとの声も聞いております。
 こうした事例をしっかりと踏まえていただき、改めて、その時期も含めて、総理のおっしゃっていただいた検証の在り方についてお伺いをいたします。

内閣総理大臣(石破茂君) 検証もしないままに、オブザーバー参加するもしないもないものだと私は思っております。
 委員が御指摘になりましたように、じゃ、ドイツというのは、言い方気を付けなければいけませんが、いわゆる核共有ということについては一つの典型事例だと思っております。つまり、ドイツにあります基地に、地下深くに核兵器を格納し、それをアメリカが、との協議の上で、所有権をドイツが持っているわけでもありませんし、管理権を持っているわけではありませんので、シェアリングとか共有という言葉は誤解を招くのでよく考えなければいけませんが、要は、意思決定過程を共有する、リスクと利益を共有するというような意味だと私は理解をしておりますが。
 そういう国が、なぜオブザーバー参加をし、そこにおいて何を述べているのか、アメリカとの同盟、あるいは核抑止力、それとオブザーバー参加というものはどういう論理的な整合性を持つのかということを検証もしないで、オブザーバー参加するもしないも、それはもう話が始まらぬということだと私は思っておりますので、よく議事録も検証しながら、オーストラリアであるとか、あるいはノルウェーであるとかベルギーであるとかドイツであるとか、どちらにいたしましても、核廃絶ということを目指してどのような議論をしてきたかということをきちんと検証したいと私は思っております。

安江伸夫君 しっかりとした検証、これを着実に進めていただき、御決断をしていただくことを重ねてお願いをさせていただきたいと存じます。
 私も、先月、広島の平和記念資料館に二年ぶりに行ってまいりました。改めて、凄惨な被爆の実相をこの目にし、核兵器の悪魔性を実感をし、これを廃絶していかなければならない、このように決意を深くした次第でございます。現在の我が国が核の傘に守られている、この今の現実と未来のこの核なき世界というものは、私は矛盾をするものではないというふうに考えております。どうか、どうか前向きな御検証をお願いを申し上げます。
 次の質問に移らせていただきます。今度はスポーツに関連して、総理にお伺いをさせていただきます。
 私は今年の十月まで文部科学大臣政務官を拝命をしておりまして、さきのパリ・パラリンピック大会の様子なども現地で見聞をさせていただきました。改めて、このスポーツの持つ価値や魅力、そして国際大会を通じた国、地域の経済の活性化、文化芸術の振興、国際的交流の深化、そしてパラスポーツの力による共生社会の進展など、肌身で実感をさせていただきました。
 我が国においても、例えば来年の二〇二五年にはデフリンピック東京大会が開催をされます。公明党としてもこの大会の大成功に向けて仲間たちと全力で取り組んでまいりますので、総理におかれましても是非御尽力賜れば幸いです。
 そして、今日お伺いをしたいのは、二〇二六年愛知・名古屋アジア競技大会、アジアパラ大会の開催についてでございます。
 かかる大会は、オリンピックに次ぐ大規模な国際大会とも言われておりまして、種目の数だけ見てもオリンピックよりも多くて、参加する各国・地域の選手団は約一万五千人と、オリンピックに次ぐ人数となっております。また、文化芸術のプログラムも充実したものになると期待をされております。
 我が国にとって大変に重要な意義を持つのが、このアジア競技大会、アジアパラ大会、競技大会でございます。是非、総理のリーダーシップを大いに発揮をしていただきまして、まさにオールジャパンで成功に導いていただきたいと存じます。総理の御答弁をお願いします。

国務大臣(あべ俊子君) 委員の御指摘のとおりでございまして、大会の成功には多くの関係省庁との連携が不可欠でございます。
 文部科学省が中心となって、政府一体となって大会組織委員会などに協力していくことがまさに委員のおっしゃるとおり重要だというふうに考えておりまして、まずは大会組織委員会からの要請に基づきましてスポーツ庁が窓口となりまして関係省庁との調整を行っていくほか、スポーツ振興くじ助成金、こちらを活用させていただきまして、まずは財政支援、さらには日本代表選手団の活躍に向けた強化活動の支援、さらにはスポンサー獲得に向けた経済団体への支援要請など、さらには大会組織委員会に職員の派遣もさせていただきまして、取り組ませていただいています。
 文部科学省としては、引き続き、両大会の成功に向けて必要な支援、協力を行ってまいりますので、委員の方からも是非是非応援をお願いいたします。

安江伸夫君 あべ大臣、ありがとうございました。大変力強い御答弁をいただいたところでもございます。
 是非、スポーツ庁の皆様も大変頑張っていただいております。なかなか手に余る課題も少なくないというふうにも承知しておりまして、各省庁ですね、横断的連携の強化をまた総理の方にもお心にとどめていただきまして、応援を賜りますようお願いを申し上げる次第でございます。
 続いて、テーマ変わりまして、災害時の学びの支援についてお伺いをさせていただきます。
 今年の元日に発生をしました能登半島地震を受けまして、公明党は一月の十二日、政府に対して緊急提言を行い、その中で、被災地の子供と学校の支援を行うための支援チームの創設を訴えさせていただきました。そして、二月の五日、衆議院の予算委員会で公明党の稲津久前衆議院議員が、教育版DMATとして、平時からの備えとして教職員等の派遣システムの構築の必要性を当時の岸田総理に御提案申し上げました。
 岸田総理からは、平時から対応体制を整えることや仕組みの構築をするという考え方は重要との御答弁をいただき、こうした公明党の取組が端緒となり検討を進めていただけまして、この度、ディザスター・エデュケーション・サポート・チーム、英単語の頭文字を取りD―ESTとの呼称の下で、平時からの職員等の派遣枠組みを年内にも取りまとめつつあるものと承知をしております。
 そこで、このD―ESTの現在の状況と今後の取組について、文部科学省に伺います。

政府参考人(笠原隆君) 能登半島地震の教訓を踏まえまして、被災地の学びを全国の教職員や文部科学省職員が支援する、いわゆるD―ESTの構築について検討を進めてまいりました。
 九月の能登豪雨では、この一環として文部科学省職員を派遣したところですが、こうした取組を踏まえ、年内に最終まとめを行う予定でございます。
 また、自治体における学校支援チーム創設の支援や先行事例の周知、連携体制の構築に必要な経費を令和六年度補正予算案に計上しております。
 文部科学省といたしましては、被災地の子供たちの学びを速やかに確保できるよう、関係機関等とも連携し、D―ESTの構築に向けた取組を進めてまいります。

安江伸夫君 ありがとうございました。
 今御答弁をいただきましたD―ESTでございますが、是非、総理におかれましても、災害発生の際には、子供たちの心身の健康と学びの現状にも是非思いをはせていただきまして、このD―ESTの存在も踏まえまして、被災地の学びの支援にも全力で取り組んでいただけませんでしょうか。お願いいたします。

委員長(櫻井充君) じゃ、担当大臣から答弁させます。

国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。
 あの能登半島地震の教訓を私どもも踏まえさせていただきまして、委員がおっしゃるように、被災地の学びの再開、これが子供たちにとっては本当に重要だと思っておりまして、各自治体が設置している学校支援チーム、また全国の教職員、スクールカウンセラーを派遣する枠組み、いわゆる、御党から御提案もありました、そのD―ESTに関しての構築に向けて取組を進めさせていただいております。
 特に、十一月に私自身が能登半島を訪問させていただいた際にも、やはり、子供たちの学校環境の現状また課題を見聞きしまして、本当に、その場で頑張っている学校の先生方、子供たち、また教育委員会のその皆さんの現状を見させていただきまして、改めて復旧復興に向けた決意を新たにさせていただいたところでございます。
 引き続き、災害の発災、発生地におきまして、関係機関とも連携しながら全力で取組をしてまいります。

安江伸夫君 あべ大臣、ありがとうございました。
 私も、被災地の方には、政務官としても文教施設見てまいりました。本当に現場では先生方が歯を食いしばって頑張り、子供たちも大変な状況の中、笑顔で勉強している姿が胸に焼き付いております。是非、このD―ESTの取組等もしっかり踏まえて、学びの復旧復興にも、未来の災害発生の際にも、全力を挙げていただきますことをお願い申し上げます。
 また、防災に関連をいたしまして、先ほど佐々木委員の方からもありましたが、体育館のエアコンに関連して、私からもお伺いを申し上げます。
 体育館のエアコンの整備、早急に進めていただきたいわけでございますが、改めてこのペースを倍加をさせていこうというこのタイミングにおきまして、多様なエアコンの動力源の確保ということについて強調をしておきたいと存じます。言うまでもありませんが、災害発生時には、電気が来ないとかガスが通らないとか、また発電機も十分にないとか、こういう状況も想定されるわけでございまして、エアコンを付けても起動できないという状況になっては意味がありません。
 そこで、体育館のエアコンの配備に際しましては、備蓄も可能なLPガスも含めた多様なエネルギー、動力源を活用していくことがレジリエンス強化においては重要と考えております。是非ここは総理の御答弁をいただければと思いますが、いかがでしょうか。

委員長(櫻井充君) 担当大臣でよろしいですか。

国務大臣(あべ俊子君) ありがとうございます。
 委員の御指摘のように、地域の実情に応じて、多様なエネルギー、これを確保していくことはまさに重要な課題でございまして、そのため、LPガス使用の空調も選択肢の一つとして有効であると認識しておりまして、この部分に関しましても、避難所となる学校体育館の空調設備を加速するために必要な経費として七百七十九億円を計上しておるところでございまして、具体的に、新たな臨時特例交付金を創設させていただきまして、これまでの国庫補助と同様に、LPガス使用を含めて補助対象とすることを考えております。
 引き続き、関係省庁と連携させていただきながら、取組事例の周知、活用できる国庫補助の紹介に取り組んでまいりたいというふうに思います。

安江伸夫君 あべ大臣、ありがとうございました。
 私の地元の愛知県は、名古屋市とか清須市など、もちろん全国にもこのLPガス等を利用したエアコンの配備の好事例もたくさん生まれてきておりますので、是非是非そうした動力源に対する目くばせ、今御答弁をいただいた好事例の横展開等も含めて、これ一層力を入れて頑張っていただきますことを御要請申し上げる次第です。
 次の質問に移らせていただきます。
 今度は、中野国土交通大臣にお伺いをさせていただきます。
 中野大臣におかれましては、就任の挨拶などで様々抱負を語っていただいておりますが、とりわけ国土交通分野で働く人々の担い手の確保について強い思いがあると伺っております。
 例えば、物流業界でいえばドライバー不足の問題が深刻です。また、建設業界でも、いわゆる団塊の世代の皆様が後期高齢者に達し、明年は需要に対して、これは試算でございますけど、九十万人の需要の不足になるとも言われております。いずれも非常に困難な課題ではございますが、国交省の出身でもあり、青年世代、働き世代の代表でもある中野大臣の手腕に強く期待を申し上げます。
 そこで、処遇の改善や働き方改革等を通じた国土交通分野で働く人々の担い手の確保に向けた中野大臣のお考えをお伺いします。

国務大臣(中野洋昌君) 安江委員の御質問にお答え申し上げます。
 委員が御指摘のような建設業であるとか運輸業であるとか、こうしたことを始めとした国土交通関連の各産業というのは、やはり我が国の持続的な経済成長の実現に不可欠だと思っております。今特にどの分野も人手不足なんではありますが、特にこうした分野においては、処遇の改善あるいは働き方改革、こうしたことで担い手を確保していくということが非常に重要な課題であると思っております。
 委員も御指摘いただきました、私も国土交通省の職員として従事をさせていただき、この物流の分野も建設の分野も、どちらも担当の部署にもおりました。やはり、とりわけ重層下請構造、特に現場で働く皆さんの立場が非常に弱い、こういうところにしっかりとこの政策を行き渡らせていかないといけない、こういう強い思いを持っております。
 また、こうした問題意識の下、例えば建設業につきましては、改正建設業法に基づきまして、処遇の改善に向けて適正な労務費の確保とその行き渡りですね、これを図るとともに、資材高騰分の転嫁対策を強化をすることで労務費のしわ寄せの防止を図ってまいります。また、働き方改革に向けて、長時間労働を前提としない適正工期の徹底やICTを活用した生産性の向上を進めてまいります。
 また、御指摘のトラックの運送業につきましては、荷主や物流事業者への規制的措置を導入をした改正物流法の来年四月の施行に向けまして、施行の準備を着実に進めてまいります。加えて、標準的運賃の周知啓発、あるいはトラック・物流Gメンによる荷主等への監視体制の強化、さらに多重下請構造の是正に向けた対応策の検討にも取り組み、ドライバーの処遇改善を目指してまいります。
 こうした取組始めまして、引き続き、国土交通分野の担い手の確保、特に若い世代を始めこうした分野で働く皆様がしっかり希望を持って働いていけるような取組をしっかり全力で取り組んでまいりたいと思います。

安江伸夫君 中野大臣から、力強い決意、思いとともに、幅広い改善策、具体的な方途を示していただいたものと認識をしております。私自身、先月、公明党の国土交通部会長を拝命をいたしまして、しっかりと中野大臣とも連携をさせていただきながら現場の皆様のお声をお届けしてまいりたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いを申し上げます。
 続きまして、次期NDCに関連をして、総理にお伺いをさせていただければと思っております。
 公明党は、環境の党として、これまでも持続可能な地球環境の実現に向け全力で取り組んでまいりました。先般の自民党との連立政権合意文書におきましても、世界全体での一・五度目標を踏まえつつと明記をした上、持続可能で強靱な脱炭素社会を構築する旨、記させていただいております。
 来年の二月までに、次期温室効果ガスの排出削減目標、NDCの提出が招請をされておりますが、この際、我が国こそ世界の脱炭素化をリードしていくとの強い意思を示していくべきものと考えます。
 先週金曜日、谷合正明参議院議員を本部長とする公明党の地球温暖化対策本部は、石破総理に対しまして、脱炭素に向けた提言を提出をさせていただきました。この提言の第一にも掲げておりますが、次期NDCについて、気候変動に関する政府間パネル、IPCCの第六次評価報告書で示す対二〇一九年比で、二〇三五年六〇%、二〇四〇年で六九%の削減、これは日本の基準年である二〇一三年度比ではそれぞれ六六%、七五%に相当するものとしておりますけれども、この水準に基づいて目標値を高めていくべきではないでしょうか。総理のお考えをお伺いいたします。

国務大臣(浅尾慶一郎君) 御質問ありがとうございます。
 気候変動は世界全体で取り組むべき課題でありまして、我が国は、世界全体での一・五度目標の実現に向け、これまでも着実に排出量を削減をしてまいりました。
 今御指摘がありました、先日、御党の谷合議員から総理に対し、次期NDC策定、地球温暖化対策計画の見直しに向けた提言をいただきました。私もその内容を伺いました。
 現在、次期NDCの策定とその実現策は環境省と経済産業省の合同審議会で検討を深めており、予断を持ってその水準についてお答えすることは今の段階では差し控えさせていただきますが、政府としては、脱炭素とエネルギーの安定供給、そして経済成長の同時実現を目指すとの考えの下、世界全体での一・五度目標の実現に向け、科学的知見やこれまでの削減実績等を踏まえつつ、年内に案を取りまとめ、我が国のネットゼロへの道筋をお示ししたいと考えております。
 我が国としては、御指摘にありましたIPCC第六次評価報告書が提示する幅の中で削減目標を定めるとともに、国際公約を踏まえ、世界全体の排出削減の取組に貢献してまいります。加えて、AZECの枠組みなども活用しながら、アジア地域を中心に世界の排出削減の取組を着実に進めてまいります。

安江伸夫君 どうか、次世代のために、またこれから生まれてくる子供たちのために、持続可能な地球環境、これを維持していくということをどうかどうか目指して、これは我々、今を生きる我々の責務であるというふうに考えております。二〇五〇年カーボンニュートラルに向けた取組を是非、石破総理の下で加速をしていただきたい、このことをお願いをさせていただきます。
 次の質問に移らせていただきます。
 この脱炭素に関連をして、ブルーカーボンについてお伺いをさせていただきます。
 炭素の吸収源として、陸上の植物のほか海草や海藻など、重要な炭素の貯留源となりますのがブルーカーボンでございます。我が国は四方を海に囲まれております。このブルーカーボンは、脱炭素を進める上では大きなポテンシャルを持っているものと考えます。
 公明党は、いち早くこのブルーカーボンの重要性を唱えまして、今財務副大臣でございますが、国会議員唯一の水産学博士でもある横山信一参議院議員を座長とさせていただきまして、二〇二二年の一月には党内に既にプロジェクトチームを設置し、取組を進めさせていただいております。
 今年の四月、我が国が国連に提出をした報告書におきまして、世界で初めてブルーカーボンを温室効果ガスの吸収量に算定をされております。そして、先ほど触れました温暖化対策の公明党の提言の中にも、改めてブルーカーボンの拡大も明記をさせていただいております。
 そして、今日は中野大臣にお伺いをさせていただきますが、藻場や干潟などの、港湾施設、藻場や干潟などに港湾施設も加えた海洋植物の生育基盤、これをブルーインフラと呼んでおりますけれども、大臣の下で是非この取組を一層強化をしていただきたいと思います。ブルーインフラに関する我が国の技術や知見あるいは効果的な事例など、ソフト、ハードの両面から世界にもこれを広く発信し、世界規模でのブルーインフラの取組を日本がリードすべきではないでしょうか。

国務大臣(中野洋昌君) 御質問にお答え申し上げます。
 ブルーカーボンに着目をしていただき、また様々な御提言もいただき、本当にありがとうございます。
 我が国におきましては、各国に先駆けて、藻場によるCO2吸収量を算定をし、我が国の温室効果ガス吸収量として国連に報告をするなど、ブルーカーボン生態系を活用したCO2の、CO2削減の取組を進めているところでございます。
 国土交通省では、藻場、干潟や、多様な海洋生物の定着を促す港湾構造物を御指摘のブルーインフラと位置付けまして、その保全、再生、創出に取り組んでいるほか、ブルーカーボンによるCO2吸収量をカーボンクレジットとして取引をするJブルークレジット制度などにも取り組んでいるところでございます。これらの取組は、国際会議等の機会を通じまして海外にも紹介をさせていただいております。諸外国からも高い関心が示されていると認識をしております。
 今後は、委員御指摘のこれらの取組の海外展開もしっかり視野に入れながら、ブルーインフラの取組を強化をしてまいりたいと思っております。

安江伸夫君 ありがとうございました。非常に前向きな御答弁をいただきました。引き続きの取組強化をよろしくお願い申し上げます。
 次に、教育に関連をしまして、またあべ大臣にお伺いをさせていただければと思います。
 今、不登校やいじめ、先生方の長時間労働など、教育現場では課題が山積をしている、こういう現状ではございますが、根本は子供たちの幸福のための教育、子供たちが輝く教育でなければならないと公明党は考えております。そして、子供たちが輝くためには、教師を始め、子供たちと触れ合う大人たちこそ輝いていなければならないと考えております。
 こうした観点から、我々公明党は、集団の学びと実体験などの個別学習を行き来しながら、多様な子供たちが自分らしく強みを伸ばして自己肯定感や自立性を育てることが教育を推し進めるとともに、教員の皆さんも個別学習の時間を使った指導力の向上や働き方改革、これを実現をして教育の質も向上させる、この双方が相まった教育の質の向上、令和の教育改革を全国で実施をしていくべきとお訴えをさせていただいております。
 そこで、多様な子供たち一人一人が主体的に学び、輝くことができる学びの実現に向けて、柔軟な教育課程の編成、これを全国的に促していく必要があると考えます。そのために文科省が現在行っている取組の状況や今後の学習指導要領の在り方に関する検討、そのポイントをお伺いします。

国務大臣(あべ俊子君) 委員にお答えさせていただきます。
 委員がおっしゃるように、子供たちが本当に輝くことができる学びの実現、それをしていかなければいけないと私どもは考えておりまして、特に学校の先生が大変忙しい中で頑張ってくださっている働き方改革も進めていきながら、子供たちが誰一人取り残されない、多様な子供たち、これを包摂するような柔軟な教育課程の編成、環境整備を促していくことは、まさに委員がおっしゃるように大切なことであります。
 こうした中で、例えば時間割の編成をちょっと工夫をしていきながら、午前中は教科の授業を実施しながら、午後の時間は個々の関心、自分らしい、そういうことの探求活動に充てる取組、さらには、工夫を凝らした校舎を使っていきながら、学ぶスペース、方法、また場所、これを子供たちが自ら選んでいくことができる、そういう取組をしていきたい、こういうことが行われているということを承知しているところでございまして、主体的な学びを推進する先導的な取組といたしまして大変注目をさせていただいています。
 文部科学省といたしましては、こうした先導的な取組をまとめた事例集の作成を精力的に進めていきながら、今後の中央教育審議会における学習指導要領の検討に際しましても、子供一人一人のこの可能性が輝く柔軟な教育課程編成の促進についてしっかりと御議論をいただきたいと考えておりますので、これからもまた安江委員にもいろいろ教えていただきながら御一緒に取り組んでいきたいと思いますので、よろしくお願いします。

安江伸夫君 あべ大臣、ありがとうございました。まさに今大臣がおっしゃっていただいたとおり、子供たちの可能性が輝く柔軟な教育課程の編成、これを後押ししていただきたいと存じますので、何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 さて、今年も受験の季節となってまいりました。男女の公平性という観点で、入試における調査書に関してもお伺いをさせていただきます。
 調査書には受験生の学生生活や成績、活動内容、出欠状況等が記載されておりますが、生理でつらいけれども受験に影響が出るかもしれないから学校を休めない、こういうつらいお声が私たちの元にもたくさん寄せられました。生理による欠席で入試等で不利になることがあってはいけない、我が党の山本香苗前参議院議員が二〇二三年五月二十三日、参議院の厚生労働委員会でお訴えをさせていただきました。これを受けまして、高校、また大学入試において順次御対応いただいているものと承知しておりますけれども、改めてその対応状況についてお伺いをします。

政府参考人(望月禎君) お答え申し上げます。
 高等学校入学者選抜の実施方法につきましては、調査書の出欠の記録欄についても、実施者である各教育委員会等が適切に判断いただくものとなります。
 その上ででございますけれども、文部科学省では、各教育委員会等に対しまして、月経随伴症症状等を含む本人に帰責されない身体、健康上の理由によりやむを得ず中学校等を欠席したと認められる場合、そのことのみをもって合理的な理由なく選抜で不利に取り扱うことがないよう、配慮をいただくよう依頼をしているところでございます。
 大学入学者選抜につきましては、毎年、高校、大学関係団体の代表者等による協議の上、国が調査書の様式を定め、出欠欄を記載することとしておりますけれども、高校入試と同様に、やむを得ない欠席に関して志願者本人が不利益を被ることがないよう、大学入学者選抜実施要項において大学に対して配慮を求めているところでございます。
 これらにつきましては、引き続き周知に努めてまいりたいと思っています。

安江伸夫君 今、大学入試の関係につきましては、これ配慮を求めて検討していただいているという旨の御答弁もいただきました。しっかりと男女の公平性が担保される形で、また、入試のこの機会が失われないように御対応をお願いをさせていただきたい、このように申し上げます。
 さて、学生さんたちからいただいたお声の一つに、特別研究員制度を利用しつつも会社の役員に就任できるようにしてほしい、こういうものがございました。
 現在の特別研究員制度の下では、研究に専念することが求められること等を理由に、営利企業の役員に就任することが制限をされております。もっとも、研究の成果をスピーディーに社会に実装しながら更なるイノベーションを起こしていこうと思ったときに、研究をしながらもその成果を生かすために起業をしていくという選択肢がもっと柔軟に認められてよいのではないかと私は考えております。
 大学発ベンチャーなども増えてきており、政府としてもスタートアップの支援を一層強化をしていこうという、こういう流れもあるわけでございますから、是非、現場の声も踏まえていただきまして、その制限の緩和についても検討をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

政府参考人(井上諭一君) お答えさせていただきます。
 委員御指摘の日本学術振興会の特別研究員制度は、優れた若手研究者に研究に専念する機会を与え、我が国の将来を担う研究者の養成、確保を目的としております。
 一方で、御指摘のとおり、起業を志す研究者の増加や大学発スタートアップの重要性に鑑み、文部科学省といたしましても本制度の制限の在り方について検討をしております。
 関係者の意見をよく聞き、早期に結論を得るべく、具体的な方策について、審議会等も活用しながら検討を進めてまいります。

安江伸夫君 ありがとうございました。しっかり現場の声を踏まえた御対応のほどをよろしくお願いいたします。
 済みません、時間が限られてまいりました。少し端的になって恐縮ですが、順次お伺いします。
 今度は、高額療養費制度についてお伺いをさせていただきます。
 現在、高額療養費制度の見直しが検討されているものと承知をしておりますが、その趣旨を国民の皆様に分かりやすくお示しをしていく必要があると考えております。
 大変恐縮ですが、テレビの、テレビを御覧の皆様にも分かりやすく厚労大臣から御説明をいただければと思います。

国務大臣(福岡資麿君) 高額療養費制度については、所得に応じて自己負担額に一定の限度額を設ける仕組みでございまして、医療のセーフティーネット機能という観点から大変重要な仕組みであるというふうに考えております。
 一方で、高齢化や、今高額薬剤がかなり普及してございますので、その総額が年々増加している、そういう状況にございまして、結果といたしまして、現役世代を中心とした保険料が今上昇している状況にあるというふうになってございます。
 そこで、物価や賃金の上昇が今着実に進むなど経済環境も大きく変化している中で、現役世代を含めた被保険者の保険料負担の軽減を図る観点から、高額療養費制度のそのセーフティーネットとしての役割はしっかり維持しながら、負担能力に応じた全世代型社会保障を構築するために、今、見直しについて検討を進めさせていただいているところでございます。
 この制度の見直しに当たりましては、委員御指摘もありましたように、やっぱりお一人お一人が自分の負担どうなるんだろうという関心すごく強く持っていらっしゃると思いますので、その制度見直し後の保険料負担軽減額やその自己負担額を、年齢別であったり、そして年収別など、そういったことで分かりやすくお示しすることで、実感を持って御理解いただけるようにしてまいりたいと考えております。

安江伸夫君 大臣、ありがとうございました。
 いずれにいたしましても、今御答弁の中にもありましたが、自己負担額の引上げによって、例えば若者世代を含む現役世代の方々の保険料の負担軽減に資することが期待されている一方、やはり利用者の方からは負担増に対する御懸念もあるところでございます。
 もう既に御答弁をいただきましたので繰り返しにはお伺いはいたしませんけれども、負担能力に応じたきめ細やかな制度設計と、また、特に低所得の方についてのセーフティーネットの機能強化というところは是非強化をしていただきたい、このことをお願い申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 薬価の在り方についてもお伺いさせていただきます。
 これもかねてから国会でも幾つかもう議論されておりますが、改めて、中間年改定を含む薬価改定の基本的な考え方、今日もテレビも入っておりますので、厚労大臣にお伺いしたいと思います。

国務大臣(福岡資麿君) 薬価の改定は、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、保険収載された薬剤の価格について市場実勢価格を踏まえて改定を行うものでございます。
 一方で、その改定を実施するに当たっては、イノベーションの推進であったり、また今問題になっております安定供給の確保、そして国民皆保険の持続性の両立というものを図っていくことが大変重要であるというふうに考えておりまして、例えば今、原材料費がかなり高騰していまして、不採算になる薬剤とかも出ています。そういったものについては薬価を引き上げることであったり、また革新的な新薬については適正な評価を実施するなど、めり張りのある対応を行う必要があるというふうに考えております。

安江伸夫君 ありがとうございます。
 この薬価の中間年改定につきましては、もうまさに今大臣から御答弁をいただきましたとおり、医薬品の原材料の調達コストも上がっており、結果としてこれが供給の不安定化につながっているという厳しい、本当に厳しい現場の関係者の皆様の声も頂戴をしているところでもありまして、これを廃止すべしという声もたくさん上がっております。
 今お話もいただきましたが、こうした現状をしっかりと踏まえていただきまして、この中間年改定、これが何のために行われているのかということをよく御検証、御検討いただきたいというふうに思っておりますし、その上で、安定供給対策、イノベーションの促進、強化をしていただき、ひいては国民の負担軽減もしっかりとお進めをいただきたいというふうに考えておりますが、御答弁いただけるでしょうか。

国務大臣(福岡資麿君) 委員御指摘のありました中間年改定というのは、二年に一回の診療報酬改定とは別に、その中間年に行う改定のことでございますが、国民皆保険の持続可能性を考慮しながら、保険収載された薬剤の価格については市場実勢価格を踏まえて行うべきである一方、イノベーションの推進であったり医薬品の安定供給の確保、これを同時に図っていくということは大変重要な観点だというふうに思っております。
 関係者の方々の御意見を伺いながら中医協において議論を深めているところでございまして、しっかり御意見も踏まえながら取り組んでまいりたいと思います。

安江伸夫君 ありがとうございました。
 駆け足で恐縮ですが、続きまして、アクアポニックスという新しい農法について、これは農水大臣にお伺いをさせていただければと思います。
 アクアポニックスとは、魚の養殖と水耕栽培を組み合わせた新たな農法でございまして、農薬や化学肥料も使わずに、また水の消費量も少ないなど、主に環境負荷低減に資する利点が提唱されておりまして、我が国でも近年注目を集めております。先日、私も地元愛知県でこのアクアポニックスの農場を視察をさせていただきました。
 持続可能な農法として注目すべきものと考えておりまして、今後、積極的に事例を集積をし、効果検証をすべく、モデル事業を行ってみてはどうかと提案をさせていただきます。御答弁をお願いいたします。

国務大臣(江藤拓君) お答えをさせていただきます。
 農林省におきましても、環境負荷軽減、それから生産コストの低減、これは大きな今テーマでありますから、注目すべき点はたくさんあると思いますが、ただ、問題もあるみたいでありまして、やはりその肥料のやり方というのは、成分がどうなっているか、成分調整がやはり難しい。特に水耕栽培になると、IoTを使ったりして先進的なところはかなり科学的に管理をしていますから、これで果たしてうまくいくかどうか。
 ですから、今、私も一回見せていただきたいと思いますが、是非、まずは事例を集積したいと思います。どのような事例があって、どのような販売価格で、どのような経営コストの削減につながっているのか、これはやはり経営を見なきゃなりませんので。そして、そして技術的な蓄積も進められた上で、その上で、先生が言われたモデル事業にするかどうかについては今後の課題として受け止めさせていただきたいと思います。

安江伸夫君 大臣、ありがとうございました。
 是非、現場の、アクアポニックスのですね、農場なども見聞をしていただき、検証をしていただきますことをお願いをさせていただきます。
 法務大臣にお伺いをできればと思っておりますが、ちょっと時間が限られてまいりました。
 端的に、保護犬の訓練を通じた更生プログラム、こうしたものが行われていると承知をしております。是非、効果をよく分析をして横展開図っていただけないでしょうか。

国務大臣(鈴木馨祐君) 今先生からおっしゃっていただきました、保護犬の訓練を通じた、一つは、八街の少年院で、今、GMaCと言われる、ギブ・ミー・ア・チャンスということでGMaCと言われるプログラムがございます。これは、自己有用感や社会参加への意欲の向上等を目的に、平成二十六年度から公益財団法人のヒューマニン財団と連携をして、在院者による保護犬への訓練、しつけを三か月間行うというプログラムでありまして、これまでに二十回進めているところであります。これについては、参加した少年たちから、責任感が向上した、社会との関わりを感じることができた、出院後も社会貢献の活動をしたいなどといった感想が多く見られておりまして、一定の効果が見られております。
 そして、少年院、今のは少年院でしたけれども、これがほかに刑事施設ということで、本年度から、NPO法人の協力を得て、松江の刑務所、そして広島刑務所尾道刑務支所において同様の触れ合いの試行を始めたところであります。
 この効果の検証そして横展開ということでありますけれども、こうした両施設におけるもの、こういったことも含めて効果の検証を更に進めていって、特に関係省庁との連携をしながら、しっかりとそういったものを進めていきたいと思っております。

安江伸夫君 私も、先日、全国矯正展に行かせていただきまして、この取組、様々勉強させていただきました。是非、わんちゃんを通じた保護とまた改善更生、検討していただきたいと存じます。
 時間がもう迫っておりますので、以上で質問を終わらせていただきますが、引き続き、公明党は、現場の声をどこまでも大切にしながら、皆様の御期待に応えられるよう全力で取り組んでまいります。
 以上で終わります。ありがとうございました。

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