学生らと共に政策つくる
党学生局の河西局長にインタビュー
現在、開会中の臨時国会では、公明党の山口那津男代表と石井啓一幹事長が衆参代表質問で、大学など高等教育の無償化や奨学金制度の拡充などを主張。このように、学生らをはじめとする若者を支える政策への取り組みが、ますます重要になっています。そこで、党学生局(局長=河西宏一衆院議員)の今後の方針ついて河西局長に聞くとともに、同局のこれまでの活動をまとめました。
――公明党学生局の役割を教えてください。
河西学生局長 2009年2月28日に行われた第3回「全国青年局長会議」の席上、党学生局が新設されました。08年に起きたリーマン・ショック以降、大学生などの内定取り消しが問題となり、公明党が率先して、学生世代を守ろうとしたことがきっかけです。党学生局を語る上で重要なのが、09年7月に発表した「スチューデント・ポリシー2009」です。政党で初めて、学生向けにまとめた政策集で、この中で返済不要の「給付型奨学金制度の創設」をはじめ、皆さまと約束したことが次々と実現しました。
現在、激動の時代を迎え、政治に対する学生の意識が変わりつつあります。それをきちんとつかみ取り、学生が主役の政治をつくり出すのが、党学生局の役割だと考えます。
――今後の取り組みについては。
河西 これまで、党学生局として学生らの声を懇談形式で聴く「Qカレ」を展開し、寄せられた声を基にさまざまな成果を上げてきました。しかし、教育現場をはじめ社会が多様化、複雑化する昨今、学生の意見や要望を聴いて行動するだけでは不十分だと感じています。そこで、「若い世代が社会の中で役割と責任を担い、自分たちの頭で物事を考え、自分たちが社会をつくっていく」という「主体性」を培っていくことが重要だと思います。
具体的には、学生と政治を結び付ける運動として、「Qカレ」を継続して実施し、その声を政策実現に生かしていきます。また、大学祭への参加や若者・学生団体とも積極的に交流を重ね、さまざまな意見や要望を聴いていきます。その上で、「学生らと共にゼロから政策をつくり上げる」という信念の下、学生主体の政治の実現に取り組んでまいります。
――最後に決意をお願いします。
河西 私自身、21年の初当選後、初めての国会質問で訴えたのが、コロナ禍における困窮学生への支援でした。そして今年9月、前任の安江伸夫参院議員から引き継ぎ、新たに学生局長に就任しました。これまで、時代の変革をリードしてきたのは学生です。その思いで、学生一人一人に寄り添いながら、学生と共に“新しい時代”を切り開いていく決意です。
これまでの取り組み
給付型奨学金の創設など提言や国会質問で実現党学生局は17年、Qカレをスタートさせ、学生の“生の声”を政策に結び付けてきました。Qカレで寄せられた声を基に、▽給付型奨学金の創設▽奨学金返還支援の充実▽コロナ禍における学生支援▽留学支援の推進――といった多くの政策を実現してきました。
昨年5月10日から6月2日までの間、オンラインによるQカレを各地で計13回開催し、多くの学生から声を聴きました。参加者からは、大学など高等教育無償化の対象者拡大や留学費用の負担軽減などを求める声が上がりました。こうした声は党青年委員会の政策提言に反映。この提言は同6月、岸田文雄首相に届けられ、実現への“追い風”となりました。
今年に入ってからも、党学生局の活動は活発です。法曹界や医療関係への道を志す人など、幅広いフィールドで活躍する学生らを対象に「Qカレ」を実施したほか、初めての試みとして「高校生版Qカレ」も行われました。さらに今夏は「夏休み Qカレキャンペーン」と銘打ち、政策テーマごとに3回に分けてオンラインで開催。中学生から大学院生まで幅広い生徒・学生を対象にしつつ、Qカレに興味を持った学生らが参加しやすいよう、申し込み方法にSNSも活用しました。
Qカレで寄せられた声は、政府への重点政策提言として手渡されたほか、国会質問などにも反映されました。このほか、高校生や大学生など39歳以下で構成する超党派の若者団体「日本若者協議会」から要望を受けるとともに、NPO法人「Mielka」などとも活発に意見交換を行いました。さらに、8月9日には、インスタグラムに党学生局のアカウントが開設され、注目を集めています。