本日の参議院決算委員会での質疑を無事に終えることができました。
応援いただいた皆さま、ありがとうございました🙏
決算関係ほか、党がネットワークで取り組む、教育支援、がん対策、体育館のエアコン設置等について質問しました💪
引き続き、現場に戻って戦ってまいります🔥
議事録
第211回国会 参議院 決算委員会 第2号 令和5年4月3日
安江伸夫君 公明党の安江伸夫です。
この決算委員会、とりわけ重要な全般質疑で質問の機会をいただき、誠にありがとうございます。
早速でございますが、質問に入らせていただきます。まず冒頭、令和三年度の決算検査報告につきまして、総理にお伺いをさせていただきます。
会計検査院からは、三百十件、金額にして四百五十五億円に上る不当事項等の指摘がなされているところです。すなわち違法又は不当な支出、無駄な支出、改善の余地がある支出などが指摘されているところです。政府におかれましては、この会計検査院による検査結果を十分に踏まえていただきまして、今後の予算編成と執行の適正化を図っていただくことを強く求めたいと存じます。
その上で、会計検査院が特に検査報告に掲記する必要があると認めた特定の検査対象にコロナ感染症対策に関する施策に係る予算の執行状況がございます。会計検査院からは、予算の執行状況を示す基本的な情報について国民に対して分かりやすく情報提供することが望まれると指摘されているところです。
これまでに、コロナ禍に苦しむ生活者と事業者を守るため、また命と健康を守るために多くの予算を措置してまいりました。政府におかれましても、その時々における最善策を尽くしてきたものと考えますが、政策の事後検証を予算執行の面から可能とし、後の施策に教訓として生かしていくことは必要と考えます。また、その透明性を確保することも重要と考えます。
そこで、コロナ関連事業の予算執行状況につきまして、会計検査院の指摘の受け止めと情報提供の在り方及び透明性の向上に向けた総理の御認識をお伺いします。
内閣総理大臣(岸田文雄君) 会計検査院による令和三年度決算検査報告において、御指摘の所見で示されたとおり、新型コロナ対策事業の透明性、そして国民への説明責任、これは重要であると考えております。
政府としては、先日、三月三十一日ですが、行革推進会議において行政事業レビューの抜本的見直しと基金の点検強化、これを行ったところであり、この検査報告の趣旨をしっかりと受け止め、行政事業レビューなども活用しながら個々の事業や施策についてしっかりと評価を行い、将来の感染症対応や今後の予算編成につなげてまいります。
また、このほか、経済財政諮問会議において、経済対策に盛り込まれた主な事業に関する執行状況のフォローアップを行い、公表しているところです。
こうしたものも活用しながら、新型コロナ対策について国民に対して丁寧な説明を行ってまいりたいと考えております。
安江伸夫君 是非とも引き続き後事に教訓を生かしていただきたい、このことをお願い申し上げます。
続きまして、防衛省の予算の執行に関連して伺います。
令和三年度の決算報告では、防衛省に対して不当事項四件を含む複数の指摘が会計検査院からなされております。例えば、会計検査院が防衛省に改善をさせた事例を挙げれば、令和元年度と令和二年度に完了した建設工事に係る道路清掃員費の積算の根拠となった必要時間数について、明確な算出根拠が確認できない契約が多数ありました。そこで、検査院が現場の実態を踏まえて必要と考える時間数を二時間として積算をし直したところ、合計三億三千五百六十万円の低減が可能であったと指摘をされております。
また、時間の都合で一つ一つ指摘をすることはできませんが、例えば令和二年度決算審査における本院からの警告決議全六件のうち二件が防衛省に関するものでありました。防衛省の予算執行の関係でも、重大なものを含む複数の課題が指摘をされたところです。その都度、即座に改善をしていただいているところでもございますけれども、まずは今回の指摘事項も踏まえまして、予算執行については一層の緊張感を持っていただきたいと思います。
また、現在、防衛力を強化していく中で防衛関係費の増額やその財源の確保が大きな議論になっていますことを踏まえると、不適切な対応によって本来は負担すべきでなかった経費を防衛省が負担するような予算執行の甘さがあっては、金額の多少にかかわらず、防衛関係費について国民の理解は得難いのではないでしょうか。この際、国民からの理解をしっかりと得るためにも、会計検査院からの指摘事項に限らず、またそれらをまつまでもなく、無駄を省くための予算執行の見直しを強化していくべきと考えます。
防衛関係費の予算執行の適正化について、御認識、防衛大臣並びに総理からも御答弁をお願いしたいと思います。
国務大臣(浜田靖一君) 今回の指摘事項については真摯に受け止めており、類似の事案が起こらないよう努めてまいりたいと考えております。
今年度予算では、三文書の下、防衛予算の相当な増額を行っております。だからこそ、これまでの教訓を踏まえ、不適切な執行を行わないように、より一層襟を正してまいりたいというふうに考えます。
このような問題意識から、防衛省が一丸となって防衛力の抜本的強化を着実に推進するため、本年一月、私の下に防衛力抜本的強化実現準備本部を立ち上げました。こうした体制の下、各事業の進捗管理を徹底し、遺漏のないよう努めていく考えであります。
内閣総理大臣(岸田文雄君) 具体的な対応については今防衛大臣から答弁させていただいたとおりでありますが、防衛予算の増額等を踏まえますときに、その執行についてはより一層襟を正していくこと、これは大変重要だと認識をいたします。
この御指摘等も踏まえて、緊張感を持ってこの予算について執行をしていきたいと考えております。
安江伸夫君 ありがとうございます。国民の関心も高いところでございます。また引き続き会計検査院も厳しい目を光らせていただきたいと思いますが、万全の御対応をお願いしたいと思います。
続きまして、次のテーマ、学びの支援についてお伺いをしたいと思います。
公明党は、高等教育修学支援新制度、給付型奨学金と授業料減免について、多子世帯など、中間所得層も含めて支援するために、年収目安を標準世帯で六百万円まで拡大すべきであると、かねてより訴えてまいりました。
昨年の六月一日の衆議院の予算委員会におきましても、我が党の浮島智子衆議院議員からは、思い切って六百万円までとお訴えをさせていただいたところ、総理からは初めて、六百万円という考え方、これもしっかり受け止めたいと御答弁をいただいたところです。
また、貸与型奨学金の減額返還についても、利用可能な本人年収上限を四百万円まで拡大するとともに、月々の減額幅の選択肢を増やすこと及び返済期間の延長によっても利息の負担が増えない措置等を求めてまいりました。
このほど、小倉大臣の下で取りまとめていただきました少子化対策たたき台におきましても、修学支援新制度の六百万円や減額返還の四百万円、これを明記する形でまとめていただき、これまでの我々の要請をしっかりと酌んでいただきましたことに感謝を申し上げたいと思います。
他方、急速に進展をし続ける少子化は緊急事態ともいうべき状況です。我々の要請も踏まえて、少子化対策、支援策の拡充に着手をいただいているところではございますけれども、我が国の危機的な状況や深刻さを社会全体で共有をし、少子化を食い止めていくためには、社会全体の意識をがらっと一変させるような取組が必要不可欠と考えます。このような問題意識から、去る三月二十八日にも公明党から総理に対しまして、次世代育成のための緊急提言を申し入れたところです。
給付型奨学金等の今回の決定内容はあくまでも短期的な応急措置と捉え、さらに、高等教育の無償化を思い切って拡大し、貸与型奨学金に頼らなくても済む社会の姿を示すことこそが、若者世代、子育て世代の将来への安心や、結婚、子育ての前向きな意識につながるものと考えます。岸田総理の御認識をお伺いします。
内閣総理大臣(岸田文雄君) これまでも高等教育の無償化を着実に進めてきたところでありますが、高等教育費の負担や奨学金の返還等が少子化の大きな要因の一つとされており、小倉大臣が取りまとめた今後の子ども・子育て政策のたたき台において、更に給付型奨学金の拡充等について盛り込んでいるところです。
具体的には、加速化プランの中で、令和六年度から、給付型奨学金等について、年収六百万円程度までの世帯を対象に、多子世帯や理工農系の学生等へ支援を拡大するとともに、まずは修士段階において授業料を卒業後の所得に応じた後払いとする授業料後払い制度、いわゆる日本版HECSを創設した上で、更なる支援拡充の在り方について検討を進めることとしております。また、御指摘のように、貸与型奨学金の減額返還制度についても利用可能な年収上限四百万円に引き上げる、このようにしております。
そして、たたき台では、この高等教育費の負担軽減を含め、加速化プランの実施状況や取組の効果等を検証しつつ、施策の適切な見直しを今後も行っていくということを明記させていただいております。
子ども・子育て政策については、今後このたたき台をベースに国民的議論を進めていくため、四月以降、私の下に新たな会議を設置し、更に検討を深めます。そして、公明党の提言も踏まえつつ、子供政策を体系的に取りまとめ、六月の骨太の方針までに将来的な子供予算倍増に向けた大枠、これを提示してまいります。
安江伸夫君 総理、ありがとうございました。是非とも我々公明党の提言も踏まえていただき、御検討を進めていただきたいというふうに思います。
また、今後無償化が進むとしても、これまで貸与型奨学金を利用して現在返還中の若者への支援は引き続き大きな課題と考えます。減額返還制度の利用要件が本人年収、ちなみに、ここは先ほどの給付型奨学金等の世帯年収とは異なり、本人年収、すなわち個人の収入であるということも重要ですが、本人年収の上限四百万円までとなれば、例えば二十代の返還者の八割がこれを利用可能との試算もございます。もっとも、子育て時期を迎えて、年収は上がりつつも子育て等の経済的負担が増してくる三十代、四十代が制度を利用できない場合があり得るところです。
そこで、次元の異なる少子化対策というのであれば、本人年収の上限四百万円にとどまらずに、子育て時期には減額返還制度について更に思い切った本人年収の要件の緩和を検討すべきものと考えます。岸田総理の御答弁をお願いいたします。
内閣総理大臣(岸田文雄君) 先ほども触れさせていただきましたが、小倉大臣の下でこの度取りまとめた子ども・子育て政策に関するたたき台、このたたき台の中で、加速化プランの中において、貸与型奨学金の減額返還制度について、利用可能な年収上限を三百二十五万円から四百万円に引き上げるとともに、出産や多子世帯への配慮など、子育て時期の経済的負担に配慮した対応を行うこと、これを盛り込んでいるところです。
そして、たたき台では、高等教育の負担軽減を含め、加速化プランの実施状況あるいは取組の検証等を検証しつつ、施策の適切な見直しを行う、このようにさせていただいております。よって、御指摘の点につきましても、今後とも適切な見直しを考えていきたいと思っております。
安江伸夫君 ありがとうございました。
私の同世代も子育て世帯多うございます。そういう中で、奨学金の返済の負担がやはり非常に重たい、苦しいという声も多数伺っているところでございます。どうか前向きな検討をよろしくお願いしたいと思います。
次の質問、文部科学大臣に質問させていただきます。
公明党は、これまでも一貫して、全ての子供たちに教育の光を、誰一人取り残されない社会をと訴えてまいりましたが、更に教育の光を当てなければならない子供たちがいます。それは、児童養護施設などの社会的養護の下で育った子供たちです。
国の調査によりますと、全世帯の大学等への現役進学率が七六・二%であるのに対し、児童養護施設出身の生徒の進学率は三三・〇%、大幅に開きがあるとの結果があります。その背景の一つには、受験に要する諸費用をアルバイト等によって工面しながら学業に専念することが難しいという現状があります。
公明党は、こうした子供たちの受験料についてもしっかりとした支援を行うべきだと申し上げてまいりました。そして、この令和五年度から日本学生支援機構におきまして、児童養護施設等の生徒たちに大学等の受験費用を支援することになったものと承知をしております。
そこで、この制度創設の意義とその効果についてお伺いをするとともに、財源については寄附金で賄うということですが、寄附金では財源が安定をしません。このような施策は、単発ではなく継続して行うことが大事だと考えております。文科大臣の御決意も併せてお伺いさせてください。
国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
三月の二十九日に、日本学生支援機構、JASSOが、寄附金を原資といたしまして、児童養護施設等に在籍する高校三年生等を対象に大学等の受験に要する費用の支援を実施することを発表したことは承知をしております。
これは、児童養護施設等に在籍する生徒は、受験に要する諸費用を工面できないなど、個別の事情によりまして進学を諦めざるを得ない生徒が少なくないことを受けましてのものでございます。実際に、全世帯の大学等の進学率と比べましても、児童養護施設の生徒の進学率は、先生おっしゃいますように、大変低うございます。本事業は、非常に意義深いものであると考えております。また、児童養護施設の生徒の進学率の向上等の具体的な成果につながることを期待しているわけでございます。
文部科学省といたしましても、高等教育の修学支援新制度の着実な実施を通じまして、引き続きまして、経済的に困難を抱える方が学びを諦めることのないよう、しっかりと支援を行ってまいりたいと考えております。また、文部科学省といたしましても、本事業の成果を注視をしながら、望ましい進学支援の在り方について、引き続きまして日本学生支援機構とともに検討を重ねてまいりたいと考えております。
安江伸夫君 文科大臣、ありがとうございました。是非とも、寄附金の財源に頼るところではなく、継続的な支援ということで重ねてお願いをしたいというふうに思います。
次のテーマについてお伺いをいたします。
若者の政治参画について総理にお伺いをさせていただきます。
私は公明党の学生局長を務めさせていただいておりまして、Qカレと題して、現役の学生、時には高校生の皆さんとも懇談の機会、よく持たせていただいております。今年の二月にも、学生等の皆様からいただいた声を取りまとめまして、文科大臣に対しても提言をさせていただいたところです。
この際、共通して多数の御意見をいただくテーマの一つが、先ほども質問させていただいた大学等の学費の負担の軽減でありますが、そしてもう一つよくテーマに上がるのが、若者の声をもっと政治に反映してほしい、こうした若者の政治参画についてです。
例えば、直近の国政選挙である参議院議員選挙の投票率、全体の平均が五二・〇五%であるのに対しまして、二十代は三三・九九%、十八歳、十九歳は三五・四二%と、平均を大きく下回っております。
この問題につきましては、年を重ねて社会的経験を積めば自然と政治的関心も高まって投票率も上がるという御意見もあるかと思いますが、例えば北欧のスウェーデンでは若年層の投票率は八割を超えるということで、若いことを理由に低くて当然という論理は当てはまらないものと考えます。
若者の多様な価値観や意見が政治に適切に反映されるように促進することは、民主主義の価値を高め、また、未来を担う若者の自発的、能動的な行動力の源泉になるものと考えます。そして、未来へと続く社会を構築していくためには、若者の声が、力が不可欠と考えます。
そこで、若者の政治参画の意義とその必要性について総理の御見解をお伺いしたいと思います。
内閣総理大臣(岸田文雄君) 若者が政策形成過程に参画することにより、若者の状況やニーズをより的確に踏まえることができ、様々な施策がより実効性のあるものとなる、こうした期待ができると思います。また、若者にとっても、自らの意見によって社会に何らかの影響を与え、変化をもたらす経験ができれば、社会の一員としての主体性を高めることにつながり、ひいては民主主義の担い手の育成にも資するものである、このように考えます。
このため、主権者教育を通じた若者に対する主権者意識の涵養、これを図っているところであり、また、若者の意見表明の一環として、今月発足したこども家庭庁において、若者の意見を政策に反映させるための取組、これを積極的に展開していくことも重要であると考えています。
安江伸夫君 総理、ありがとうございました。
今総理からも言及をいただきましたけれども、学生等の皆様から強く御要望いただいている一つは、今言及いただいた学校教育における主権者教育をもっと推進をしてほしいということであります。
主権者教育とは、国や社会の問題を自分の問題として捉え、自ら考え、自ら判断し、行動していく主権者を育成していくことでありますが、この際、模擬投票を行ったり、現実の政治的課題についてディスカッションをしたりすることが効果的であると言われております。
しかし、現場では、現実の政治的課題を行うことについては、教師の側も政治的中立性を担保できるかが大きな不安要因となり、裾野が広がっていない現状もございます。健全な民主主義の土壌を育むためにも、現場の課題をしっかりと捉まえていただきながら、主権者教育の一層の推進をしていくべきものと考えております。
その必要性の認識と取組状況について永岡文科大臣にお伺いをいたします。
国務大臣(永岡桂子君) お答え申し上げます。
主権者として社会の中でこれ自立をして、そして他者と連携、協働しながら、これからの社会を生き抜く力や、また地域の課題解決を社会の構成員の一人として主体的に担うこと、こういう力を育む主権者教育は大変重要でございます。
初等中等教育段階におきましては、従来から、学習指導要領に基づきまして、政治参加の重要性や、また選挙の意義等について指導を行っておりますが、令和四年度からは、高等学校におきまして、自立した社会に参画する力を育むことを狙いといたしました新たな、まあこれ必須の科目ですね、科目、公共の実施も始まっておりまして、これ政治的中立の確保に留意をしながら、指導の一層の充実を図っているところでございます。
また、大学等に対しましては、住民票の異動の必要性や不在者投票制度等につきまして周知をしているほか、入学時におけますオリエンテーション等を通じた学生への啓発活動を促しております。
今後とも、総務省等と連携をしながら、学校、家庭、地域におけます主権者教育の取組をより一層推進してまいります。
安江伸夫君 ありがとうございます。
是非とも、引き続きの推進をお願いするとともに、またNPOや、またこの主権者教育を推進して、応援していただいている方もたくさんいらっしゃいます。そうした活動も是非応援していただくことを検討をお願いしたいと思います。
続きまして、主権者教育という形で個人をエンパワーメントしていくと同時に、若者の意見が政策に反映される仕組みを設けていくことも重要と考えます。
この点、愛知県の新城市におきましては、条例に基づいて若者議会を設置をし、予算の提案権を付与し、若者の政治参画を制度化しており、こうした事例も参考になるかと思います。
今国会で参議院における代表質問におきまして、我が党の山口代表からも、子供や若者の声が政策に反映される仕組みづくりについて質問をさせていただきましたところ、総理からも、これにしっかりと取り組みますと、取り組んでまいりますと力強い御答弁もいただいたところです。
そこで、こうした自治体の取組を参考にしながら若者の政治参画の取組を更に推進をすべきと考えます。総務大臣の御見解をお伺いします。
国務大臣(松本剛明君) 主権者教育につきましては、今総理、文科大臣からも御答弁申し上げたところでございますけれども、この選挙を所管する総務省といたしましても、若者の政治参画を推進するため、若者の社会参加の促進や政治意識の向上を図る観点から、委員からお話がございましたように、国や社会の問題を自分たちの問題として捉え、考え、行動していく主権者を育てる、いわゆる主権者教育の取組は重要であると考えております。
御指摘の新城市の取組は大変特色のあるものというふうでございまして、ほかにも具体的な取組として、選挙管理委員会や教育委員会、議会事務局などが連携し、少年議会や子供模擬議会といった場を設置し、子供や若者の提案を行政の施策に反映する取組を行っている自治体があると承知をいたしております。
改めて、このような主権者教育に先進的に取り組んでいる各地の事例について、その具体的な内容や手法などを調査し、全国の選挙管理委員会などにその内容を紹介し、議会の御意見を踏まえつつ、各事例の横展開を推進していきたいと考えており、主権者教育の更なる充実を図ってまいります。
安江伸夫君 是非とも、引き続きの充実をお願いしたいと思います。
よく若い方と懇談をさせていただく際に、どうして投票率が低いのかなというふうに聞きますと、やっぱり自分の一票や自分の意見が政治に届くとは思わないと。そうした政治的無力感が現実には若い人の間にはあるというのが私の実感でございます。声を上げれば変えることができるんだという形で、是非とも、エンパワーメントをしていく主権者教育や、また若者の声を政治に反映する仕組みの推進に是非とも力を注いでいただくことをお願いをしたいと思います。
次のテーマに移らせていただきます。
がん検診の受診環境の整備についてお伺いをいたします。
がんは生涯で二人に一人がなる国民病であり、一九八一年から日本人の死因のトップはがんとなっております。
公明党は、二〇〇六年のがん対策基本法の制定から、がん医療拠点病院の整備、放射線治療や緩和ケアの普及、治療と仕事を両立できる環境づくりなど、一貫して当事者やその御家族に寄り添った支援体制の整備に取り組んでまいりました。
その上で、早期発見、早期治療が大変重要であり、そのためにもがん検診の受診率、これを向上すべきものと考えます。公明党としても、がん検診の受診率向上のための無料クーポンの配付や受診券をプッシュ型で郵送するなど、地方議員の皆様とも連携をしながら受診勧奨等を強化する取組を推進してまいりました。もっとも、コロナ禍を契機に受診率の低下も指摘をされており、更なる受診率アップに向けた工夫も必要と考えます。
そこで、岸田総理に、がん検診の受診率向上の必要性について御認識をお伺いします。
内閣総理大臣(岸田文雄君) 我が国においてがんは死因の第一位であり、そして委員御指摘のように国民の約二人に一人が罹患するとされており、がんの早期発見、治療のため、がん検診の受診率を向上させることが必要であると認識をしています。
先日、三月二十八日ですが、閣議決定した第四期がん対策推進基本計画においても、がん検診受診率の目標について第三期計画の五〇%から六〇%に引き上げることとしており、この目標を達成できるよう、誰もががん検診を受診しやすい環境の整備に取り組んでまいりたいと考えています。
安江伸夫君 ありがとうございました。
その上で、厚労大臣にお伺いをしたいと思います。
がん対策推進基本計画におきましては、女性や障害者、非正規雇用者らが受診しやすい環境整備など、利便性の向上に努めるとされております。
例えば、厚生労働省の調査によれば、男性より女性の方が受診率が低い傾向にあります。女性特有の状況を踏まえた工夫が求められます。また、障害者に対しても、その特性に応じた十分な配慮を行うべきです。例えば、目の見えない方に対する案内に音声コードや点字による説明を付けるといった工夫を行うなど、取組を強化すべきものと考えます。加えて、働き方に関係なく、受診しやすい環境整備も重要です。正規、非正規雇用、あるいは自営業、フリーランスなど、働き方の違いいかんにかかわらず、がん検診の受診率を向上させていくべきと考えます。
このように、誰もががん検診を受診しやすい環境を整備すべきものと考えますが、その必要性と取組状況につきまして加藤厚労大臣にお伺いをいたします。
国務大臣(加藤勝信君) がん検診の受診向上に向けて、今委員から御指摘がありましたように、非正規で働く方、あるいは自営業、フリーランス等の働き方、あるいは性別、障害の有無等にかかわらず、誰もががん検診を受診しやすい環境を整備することが大変重要であります。
例えば、女性については、検査に伴う痛みや精神的な不安、羞恥心、あるいは平日実施の検診が受診しづらいといった課題が指摘をされております。また、障害者については、障害特性に応じた配慮が必要との御指摘もございます。
こうした課題を踏まえて、本年度から、厚生労働科学研究の実施等によって、市区町村における先進的な取組も含め、今申し上げた女性やあるいは障害のある方々等々の実態把握を行った上で、がん検診の対象者の特性に応じた効果的な方策を検討することとしております。
また、先日閣議決定されました第四期がん対策推進基本計画においても、今全体の目標を、誰一人取り残さないがん検診を推進し、全ての国民とがんの克服を目指すとするとともに、女性、障害者、非正規雇用労働者等が受診しやすい環境の整備など、がん検診を受診する上での課題を明確にし、利便性の向上に努める旨を盛り込んだところでございます。
誰もががん検診を受診しやすい環境の整備、そしてそれらを通じてがん検診の受診率の向上、これに向けて努力をしてまいります。
安江伸夫君 ありがとうございました。
もう一問、加藤厚労大臣にお伺いをさせていただきます。
政府の受診率の目標、先ほど総理からも言及いただきましたが、これ五〇%から六〇%に引き上げ、達成をしていくという上で、重要な鍵は職域でのがん検診の強化であると言われております。
もっとも、現在職域で行われているがん検診は明確な根拠法がないため、予算措置や行政の支援が十分とは言えません。これまでも職域でのがん検診は任意で行われており、大企業では検診受診率は高い傾向にありますが、中小企業については比較的低い状況にあります。
こうした状況も踏まえつつ、例えば、がん検診に関する企業の取組を補助金などで後押しをしつつ、職域でのがん検診を法律でこれをきちんと位置付けて、データ管理を含めた受診体制の拡充を検討すべきと考えます。職域でのがん検診の法制化の必要性について加藤厚労大臣のお考えをお伺いします。
国務大臣(加藤勝信君) まず、がん検診の仕組みでありますが、現在、がんの発見等による死亡率減少を目的とする対策型検診と呼んでおりますけれども、としては、健康増進法に基づき市町村が実施をするということとなっております。他方、職域でもがん検診は実施されており、受診者の三〇から七〇%程度は職域において実施をしておりますが、職域におけるがん検診は、保健所や、保険者や事業主が福利厚生の一環として任意に実施をしているところであります。
こうした職域におけるがん検診の受診率の向上に向けて、企業向けセミナーの開催などを通じた意識の啓発又は情報提供の支援、被用者保険の保険者に納付する後期高齢者支援金の額について、がん検診の実施状況等の評価に基づき加算又は減算すること、労働安全衛生法に基づく職場における定期健康診断の機会を活用し、がん検診の受診を勧奨するといった取組を行ってまいりました。
さらには、先日の、先ほど申し上げた第四期がん対策推進基本計画では、市区町村と職域におけるがん検診が一体的に進めることができるよう、職域におけるがん検診の実施状況の継続的な把握や適切な実施に向けた課題の整理を行い、その法的な位置付けも含め、がん検診全体の制度設計について検討することとしております。
こうした措置を講ずることによって、先ほどの件も含めて、がん検診の受診率の向上を図っていきたいと考えております。
安江伸夫君 加藤大臣、ありがとうございました。
がん検診の受診率向上に向けて総力を挙げていただきたい、このことをお願いします。
次のテーマに移らせていただきます。
体育館等の避難所のエアコンの整備について総理にお伺いをさせていただきます。
災害時に避難所としても機能する小中学校の体育館ですが、平時の利用も含めて快適で安全に過ごすためには、エアコンを整備していくことが大変に重要と考えます。公明党としても、全国の地方議員の皆様と連携をして、体育館のエアコン整備を進めてまいりました。夏場の酷暑などを踏まえると、時にはその有無が命にも関わる設備であります。一層の整備を進めていただきたいと思います。
また、エアコンの整備に当たりましては、緊急時の動力確保も重要と考えます。災害によって電気が途絶した、都市ガスが途絶した、設備があるけれども使えないという状況があっては意味がありません。
そこで、注目をしていただきたいのは、LPガスボンベのガスも動力とできるエアコンです。備蓄をしておけば、電気や都市ガスが来ない状況でもエアコンを稼働することが可能です。例えば、私の地元、愛知県名古屋市におきましても、このような都市ガス、またLPガスでも稼働できるハイブリッド方式のガスエアコンの導入も進められております。
そこで、総理にお伺いをしますが、公立小中学校の体育館等におけるエアコン整備の必要性と、都市ガス、LPガス両方も動力とできるハイブリッド方式での整備、これについての評価を伺いたいと思います。
内閣総理大臣(岸田文雄君) 学校施設は児童生徒の学習、生活の場であるとともに、災害時には地域の避難所としての役割も果たすことから、体育館等における空調設備の設置、これは重要な課題だと認識をしています。
御指摘の都市ガスとLPガスの両方を動力にできる空調設備は、災害時に都市ガスの供給が停止するおそれがある地域などにおいて、災害時に空調の動力源を確保するための一つの選択肢となる面があるとされていると承知をしています。
引き続き、政府としては、災害時に避難所にもなる学校の体育館等について、自治体による空調設備の設置、これを支援してまいりたいと考えています。
安江伸夫君 ありがとうございました。
私の時間が参りましたので、もうこれで終わりにしたいと思いますけれども、引き続き永岡文部科学大臣もこのエアコンの整備に力を入れていただきたいと思いますし、時間の都合でできませんでしたが、例えば、愛知県名古屋市緑区、地元の有松・鳴海絞を始めとした伝統的工芸品、この振興にも西村産業大臣に進めていただきたいことをお願い申し上げまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。