物価高騰対策2.7兆円
安心確保へ不測の事態に対応
山口代表、公明の取り組み力説
物価高騰対策を実行するための2022年度補正予算は31日午後の参院本会議で、自民、公明の与党両党と国民民主党などの賛成多数で可決、成立した。同予算の一般会計総額は2兆7009億円。公明党の主張を反映し、原油高対策として、石油元売り会社への補助金などを計上した。本会議に先立ち開かれた参院予算委員会では、公明党の伊藤たかえ、三浦のぶひろの両氏が質問し、安江伸夫氏が賛成討論を行った。
補正予算は、ロシアのウクライナ侵略などに伴う物価高騰を受けた「総合緊急対策」の財源の裏付けとなる。
原油高対策として石油元売り会社への補助金1兆1655億円などを計上。既に緊急対策の財源の一部に充てた予備費を補充するため、計1兆5200億円を盛り込んだ。全額を赤字国債で賄う。
参院本会議に先立ち国会内で開かれた公明党参院議員総会で、山口那津男代表は22年度補正予算に関する公明党の取り組みを強調。「来る参院選前後の政治空白を考えた時に、物価や災害、コロナ感染で不測の事態に対する国民の不安を取り除き、機動的に対応できるよう編成し、今国会中に成立を図れと公明党が訴えてきた結果だ」と力説した。
その上で、補正予算成立後の対応に関して「今後、緊急事態、予期しない事態が起きれば、直ちに予備費を有効活用して国民生活を守っていきたい。社会状況の変化にしっかりと目を凝らしていく」と強調した。
また、総合緊急対策で、拡充された地方創生臨時交付金に関して「例えば学校給食費の負担や水道など公共料金を抑えるとか、自治体独自の生活支援のための具体的な給付措置を取るといった対応が、公明党のネットワークを通じて6月の地方議会定例会で具体化できるよう取り組んでいる」と語った。
安江氏が賛成討論
一方、参院予算委で質疑終了後、賛成討論に立った安江氏は「補正予算によって原油価格・物価高騰などの影響から国民生活を断固として守り抜くことを政府に強く求める」と訴えた。
また、安江氏は、石油元売り事業者に支払う補助金の上限を増額し、ガソリンの基準価格も1リットル当たり172円から168円に引き下げている点を踏まえ、「こうした対策を引き続き実施するためにも補正予算が必要だ」と指摘した。