党青年委と日本若者協議会の意見交換会から
“若い力”で未来をつくろうと、公明党青年委員会の矢倉克夫委員長と佐々木さやか副委員長、安江伸夫学生局長(いずれも参院議員)は19日、高校生や大学生など39歳以下で構成する超党派の若者団体「日本若者協議会」(室橋祐貴代表理事)と若者政策を議論するイベント「日本版ユース・パーラメント2022」を開き、「労働・社会保障」「ジェンダー」「教育」の各テーマを中心に政策提言を受けました。その概要を紹介します。
■(労働・社会保障)家賃補助、職業訓練拡充を
労働・社会保障について室橋代表理事は、「現役世代への社会保障は企業が福利厚生として負担してきたが、企業の体力減退に伴い縮小してきている」と指摘。非正規雇用が増えており、現役世代への社会保障を拡充させる必要があると訴えました。
具体的には、現役世代への家賃補助や職業訓練の拡充、気候変動対策に合わせた雇用・産業の構造転換の促進などを求めました。
矢倉委員長は、党青年委が政府に申し入れた「青年政策2020」で、中間層支援の観点から家賃補助制度の創設を訴えた経緯を紹介。自治体の補助制度に対する国の支援や、公団住宅に若者が入居しやすくするなどの施策を進めたいと述べました。また、職業訓練の拡充にも取り組む姿勢を示しました。
■(ジェンダー)女性の自己決定権を尊重して
室橋代表理事は、ジェンダー施策に関して「女性の自己決定を尊重するには、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)に関する理解を深め、社会環境を整備することが重要だ」と訴えました。その上で、緊急避妊薬へのアクセス改善や痴漢対策の強化、生理用品の公共施設での無償配布、選択的夫婦別姓制度の導入などを求めました。
安江学生局長は、公明党が多様性の尊重を訴えている点を強調。緊急避妊薬を薬局で購入できるよう求めてきたことや、各地で生理用品の無償配布を進めてきたことなどを紹介しました。
また、選択的夫婦別姓制度の導入や、性的少数者への理解増進を目的とした法律の制定に努力を進めていきたいと語りました。
■(教育)「多様な学び」の促進さらに
教育に関して室橋代表理事は、不登校などで小中学校を長期欠席している子どもが約29万人おり、「義務教育のモデルが子ども(の実態)に合っておらず、(モデルを)多様化していく方向に変えてほしい」と要望しました。
具体策として、教員の労働環境改善やフリースクール支援、飛び級制度の整備、不登校児支援、児童養護施設出身者への生活サポートなどを挙げました。
佐々木副委員長は、「教員の労働の環境改善へさまざまな知恵を絞りたい」と述べたほか、「子どもたちの個性や特性を伸ばすために、どのような教育が望ましいのかという視点を公明党は持ち続けている」と説明。フリースクールへの支援などについて「提言を参考に充実させていきたい」と語りました。
■大学授業のあり方などで質疑応答も
会合では、質疑応答も活発に行われました。慶応義塾大学3年生の佐々木悠翔さんは、「学生からオンライン授業を求める声が多い。オンライン授業の上限を緩和してほしい」と求めました。これに対して佐々木副委員長は「貴重な声として受け止め、いい形をつくっていきたい」と応じました。
東京大学大学院3年生の岡野めぐみさんは、「ジェンダーは女性だけでなく、働けないなど弱い立場にある男性への支援も考えてほしい」と主張。安江学生局長は「性別を問わず、就職氷河期世代など、生きづらさを抱えている人がいる。意識して取り組んでいきたい」と応じました。
矢倉委員長は「若い人の声が政治のど真ん中に置かれることが、日本の経済・社会を持続可能なものにするために重要だ。今後も意見交換を続けていきたい」と述べました。
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