生活費支給を半年延長
文科省 コロナでの研究遅れに対応
文部科学省は、研究能力が優れた博士後期課程の学生を対象に日本学術振興会(学振)が2年ないし3年の期間で採用している特別研究員について、国費から生活費として支払う「研究奨励金」(月額20万円)の支給期間を原則6カ月間延長できるようにする。
コロナ禍による実験の一時停止などで研究期間が当初想定よりも延び、その間の生活の見通しが立たないケースがあることに対応する特例措置。当事者から相談を受けた公明党の訴えを受け、約260人に同奨励金を追加支給する経費が来年度予算案に盛り込まれた。また海外特別研究員128人についても、滞在費などの支給期間が原則6カ月延長される。
学振の特別研究員のうち、博士号取得後(ポストドクター)の人の採用枠に関しても、公明党が昨年末、研究の遅れで博士号取得が予定よりずれ込む内定者への柔軟な対応を文科省に要請。1月7日には、来年1月1日までに博士号を取得すれば、内定を取り消さない特例措置が決まった。
ツイッターで寄せられた当事者の意見から具体化
一連の対応が具体化したきっかけは、公明党の三浦信祐青年局長(参院議員)にツイッターを通じて特別研究員から、研究の遅れへの配慮を求める声が寄せられたことだった。本人や支援する室橋祐貴・日本若者協議会代表理事から昨年7月7日に実情を聴いた三浦局長はすぐに、浮島智子文科部会長(衆院議員)と連携し、文科省に対応を要請。同28日には、学振から特別研究員として研究ができる期間を原則6カ月間延長できるようにするなど柔軟に対応する方針が示された。
ただ、「研究奨励金」の支給期間延長は未定だったため、昨年9月には、三浦局長と安江伸夫学生局長(参院議員)や特別研究員本人、室橋代表理事が財務省に申し入れ、今回の6カ月延長につながった。
公明の迅速さに感謝
日本若者協議会 室橋代表理事
室橋代表理事は「博士課程の学生は数が少なく政治に声が届きにくい中、公明党はしっかりと思いをすくい上げてくれた。特に、対応の迅速さには驚いた。感謝している」と語っていた。