安江伸夫参院議員
■(核兵器禁止条約)オブザーバー参加へ他国例の検証を
安江伸夫氏 公明党は核兵器禁止条約締約国会議へ、わが国がオブザーバー(議決権のない参加国)として参加するよう訴えてきた。12月3日の衆院本会議で斉藤鉄夫代表が改めて要請したところ、首相は「オブザーバー参加の例の検証が必要だ」と答弁した。北大西洋条約機構(NATO)加盟国ではドイツやベルギーなどが既にオブザーバー参加し、自国の立場を表明し、協力の意思を示すことが可能となっている。米国との同盟関係が揺らいだわけでもない。
首相 ドイツなどがどのような議論をしてきたか、検証したい。
■(脱炭素)温室ガス削減、目標値高く
安江 次期NDC(温室効果ガス排出削減目標)について、党地球温暖化対策本部は首相に提言を提出した。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の第6次報告書は、2019年比で(温室効果ガス排出量を)35年までに60%の削減を示している。これは日本の基準年の13年度比で66%に相当する。この水準に基づき、目標値を高めていくべきだ。
浅尾慶一郎環境相 公明党から提言をいただいた。次期NDCの策定と実現策は現在、審議会で検討を深めている。世界全体での「1・5度目標」の実現へ、科学的知見や削減実績を踏まえ、年内に案をまとめたい。
■(教育)体育館の空調、LPガス利用も
安江 能登半島地震を受け、公明党は被災地の子どもと学校を支援するチームの創設を訴えた。党の取り組みを端緒に、「D―EST」との呼称で、平時から教職員らを派遣する枠組みがまとまりつつある。状況は。
笠原隆・文部科学省文教施設企画・防災部長 D―ESTの構築の検討を進め、年内に最終まとめを行う。自治体の学校支援チーム創設の支援や先行事例の周知、連携体制の構築に必要な経費を24年度補正予算案に計上している。
安江 学校体育館のエアコン(空調)が、災害発生時、起動できない状況では意味がない。備蓄も可能なLPガス(プロパンガス)も含む多様な動力源を活用することがレジリエンス(回復力)強化に重要だ。
阿部俊子文科相 LPガス使用の空調も選択肢の一つとして有効だ。体育館の空調整備を加速する経費として(補正予算案に)779億円を計上している。「臨時特例交付金」を創設し、LPガス使用を含めて補助対象に考えている。
安江 多様な子どもたち一人一人が、主体的に学び輝くことができる学びの実現に向けて、柔軟な教育課程の編成を全国的に促していく必要がある。文科省の取り組みや、学習指導要領のあり方の検討を伺う。
文科相 多様な子どもたちを包摂する柔軟な教育課程の編成を促すことは大切だ。例えば、時間割の編成を工夫し、午前中は教科授業をしながら午後の時間は、探求活動に充てる取り組みが行われている。こうした事例集の作成を進めながら、今後、中央教育審議会での学習指導要領の検討に際し、柔軟な教育課程編成の促進を議論したい。
■高校、大学の入試/生理で欠席に配慮を
安江 生理による欠席で入試などで不利になることがあってはいけない。公明党の訴えを受け、高校、大学入試で対応されているが、状況は。
望月禎・文科省初等中等教育局長 各教育委員会に対し、月経随伴症状など身体、健康上の理由により中学校などを欠席した場合、合理的な理由なく選抜で不利に取り扱わないよう配慮を依頼している。大学入学者選抜については、高校入試と同様に、志願者本人が不利益を被ることがないよう大学に配慮を求めている。引き続き周知に努める。
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